長ナスの甘酢炒め

母が行く病院の隣には小さな八百屋がある。
いつもの腰と膝の治療なので、わたしがついていかなかったためか、母は長ナスと枝豆を買ってカートのポケットに入れて帰ってきた。ここずっと買い物らしきものに行けなかったので、どうにも何か買いたかったらしい。

さて、長ナス。
実はこれは前日に見たテレビ番組で紹介していたもので、東京生まれ、東京育ちの母が生まれて初めて買った長い長いナスだ。わたしも初めて見た。東京では小さなナスが一般的で、関西では珍しくもなんともないこの長ナスが売られているのは珍しい。
あんまり珍しいので、つい千円札と記念撮影。

DSC00088 切ってみると、普通のナスよりちょっと種が多いかな、というぐらい。これを輪切りにして片栗粉をまぶし、たっぷりの油で炒めてから、醤油、みりん、砂糖、玄米酢で汁気がなくなるまでからめた。ちょいと煎りゴマをふって出来上がり。

DSC00089片栗粉を振ったので、形が崩れることもなく、さりとて中は柔らかく仕上がった。
口に放り込むと、油を多めに使ったにもかかわらず、意外にさっぱりとしていてこの暑くジメジメと湿気の多い季節にとても良く似合う。

 

治外法権を持つ自転車という乗り物

ここ10年以上ほとんど1年に1度2週間しか滞在しない東京だったが、母の介護のおかげで6週間になろうとしている。

これだけ長く滞在していると、街に出て気になるのが自転車という乗り物。
オーストラリアやヨーロッパでは自転車は基本的に「車両」の範囲に入るので、自転車専用の道路がある場合以外は自動車道路を走り、交通規則もそれに準ずる。道を曲がるときには、曲がる方向の手を挙げるのも規則だ。もちろん一方通行路に侵入することはできないし、信号が赤なら止まるのは当然。ひとを乗せることは禁じられているし、自転車用ヘルメットをかぶらなければ罰せられる。

そして、そのどれもが東京の自転車には当てはまらない。

商店街の小さな交差点では、信号が自分側では赤なのに、青の横断歩道を渡るひとびとの「間を縫って」自転車がすり抜けていく。
ひとを器用に避けながら歩道を全速力で走り抜ける自転車の高校生もいるし、曲がり角でいきなり曲がって、歩いているわたしにぶつかりそうになった女性もいる。
一方通行の道路でも車を避けながら反対方向に向かって進む自転車は多く、誰も気にも留めない。

スーパーの入り口では、いつも白髪のガードマンが入り口を塞いで駐車した自転車を辛抱強く並べ直している。

何より驚くのが子供を乗せるシートまで売っていることだ。
前のカゴに子供用シート、後ろの荷台にもうひとつの子供用シート。もちろん、母親もふたりの子供たちもヘルメットなどかぶっていない。急ブレーキでもかけて自転車が倒れたら、子供たちの頭がコンクリートに打ち付けられるという危険が想像できないのだろうか。
先進国ではまず見ない光景だ。自転車は「ヘルメットをかぶってひとりで乗る乗り物だ」と法律に記載されている。

地下鉄の駅の周りには週に何度か「放置自転車監視パトロール員」が出るが、いれば自転車はなくなり、いなければまた通行人を阻むように何台も駐車されている。まるでイタチごっこだ。

今日も横断歩道で信号が青に変わるのを待っていたら、横にすっと止まった自転車がある。何気なく見ると、その前のカゴには路上放置自転車の注意チケットが留めてある。それを堂々とつけたままにしておくことさえ気にならないらしい。

いやはや、自転車は日本では「治外法権」というステータスを持つ乗り物らしい。

 

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豚バラ肉とキャベツのかんたん回鍋肉

キャベツがいやに安くて、また1玉買って来てしまった。なんと50円。こういうときに、キャベツを沢山消費する料理といったら、回鍋肉(ホイコーロー)だ。そういえば、やっぱりこれもインスタントソースがスーパーで山積みになっていた。材料さえあれば、そのインスタントソースと同じぐらいの時間でできてしまうのだが。

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まず、豚バラ肉は一口大に切り、酒と塩を振ってから片栗粉をまぶす。これを油を使わずにテフロン加工のフライパンで一気にざざっと炒める。バラ肉からは油が沢山落ちるので、肉に火が通ったらその油は捨ててしまう。

次に、ざく切りにしたキャベツをごま油で炒める。何となく全部温かくなったな、という頃合いで油を切ったバラ肉を戻してざっと混ぜ合わせる。

そこに、あらかじめ混ぜておいた、酒、味噌、豆板醤、オイスターソースを加える。これだけだ。

昨晩は妹が来ていたので、ニンニクは抜いた。食べ過ぎると口臭だけではなく体臭にも影響するので、日曜日は食べないらしい。
いや、わたしは結構食べちゃうけれどね。だって、生のニンニクをそのままかじったら次の日は大変だろうけれど、たかがひとかけを炒めものに入れたくらいでは、と思ってしまう。

母の入院中の食事は1食500カロリー前後らしい。つまり、焼き魚などは半分(=60g)で、野菜はくたくたになるまで煮込んである。副菜はふたくちぐらいでなくなってしまう量だ。
「昨日の晩ゴハンにはきんぴらごぼうが出たんだけどね、ゴボウなんかもう入れ歯を入れてなくても噛み切れるくらいだよ。あのまま潰したら離乳食だね。塩あじも薄いし。」と、うらめしそうにわたしの顔を見る。
「その代わり、足はむくまないけどねえ」

「早く退院して好きなモノが食べられるといいねえ、お母さん」と、実家にやってきた妹と話しながら、自分たちは晩ゴハンに柔らかい肉と歯ごたえを残したキャベツをもりもりと食べている。