「フランスの」を強調しているのにはわけがある。
実はこの料理、以前にもブログ記事にしたイタリア料理「鶏肉のトマト煮込み:ポロ・アラ・カチャトーラ」のフランス版なのだ。
http://gabysterrace.com/?p=3540
ポロ・アラ・カチャトーラのほうは、以前某レストランに写真をコピペされ、Facebookの記事に抗議したら、次の日にFacebookのアカウントごと削除された。
ま、そんないわくつきの料理だが、冬になると今でも作る料理だ。ひとを招待したときにも作る。豪華にみえるけれど、簡単なので。
ところが、一度ウチに招待したことのあるフランス語教師が「あれー、わたしもこの料理知っているよ。ママンが時々作っていたもん」と言うので、レシピを訊いたことがある。
そして、次に頂いたのは某SNSで「オーストラリアで買った即席チキン・シャスールの美味しさが忘れられない」というメッセージだ。
Polo alla Cacciatora(イタリア語)
Poulet Chasseur(フランス語)
Chicken Chasseur(オーストラリア英語)
どれも同じ料理のことだ。ただしオーストラリア人は英仏ミックスの命名だ。フランス語の発音に疎いひともいるので、友達にこの料理のことを訊いたら「チキン・チャッサーのこと?」と言われて笑いをこらえるのに苦労した。なるほど、英語だとこういうふうにも読めるんだ。だが、オーストラリア人の名誉のためにも、チキン・シャスールときちんと言うひともいることを付け加えておく。
今回はそのフランス人教師のお母様のレシピで作ってみた。だから、ポロ・アラ・カチャトーラではなく、プーレ・シャスールのほうである。
わたしは丸鶏を買ってガンガンと叩き切るけれど、日本だったら骨付きのぶつ切り、つまりドラムスティックなんかいいのではないか。塩コショウしたこのぶつ切りに、小麦粉をはたいておく。ビニール袋に全部いれて、グニョグニョするだけ。
オリーブオイルを熱したフライパンで焦げ目をつける。
わたしはル・クルーゼの厚手鍋だけれど、普通の鍋でもいい。そこに入れておく。
次に煮込み汁をつくる。スライスしたマッシュルーム、刻んだエシャロットとニンニク、タイム、ローリエをオリーブで炒め、塩コショウし、白ワインを1カップほど加え、ブランデーを少し足す。どぼ、ぐらいかな。ついでに、わたしにも少し白ワインを足す。
アルコール分が飛んだら、すかさずトマトピュレーを加える。
実はわたしはオリーブオイルで炒めてしまったので、ここでバターを加えた。いや、フランス料理の常でやはりバターは必需品。
混ざったら、最後にチキンストックを500mlぐらい加える。
そして、焦げ目をつけておいた鶏肉に煮汁を入れ…
後はコトコトと煮込むだけ…だが、フランス人はこのままこのル・クルーゼを180度に温めたオーブンに1時間ほど直接蓋をしたまま入れてしまう。このほうが焦げずにまんべんなく火が回るからだという。ただしコンロでも、もちろんできる。焦げないように弱火でコトコト1時間だ。
できたけど、皿に盛ってしまってから気づいたので中身が1/3に減っているル・クルーゼ鍋。
付け合せにはインゲンとジャガイモを茹でた。
肉はホロホロと骨から外れ、柔らかい。汁は旨味がたっぷりと出ていて、皿はもちろんパンを使って最後の一滴まで拭き取らなければならない。
ああ、美味しい。