今日はこちら西オーストラリアの「労働の日」、つまり日本では五月一日の祝日メーデーと同じ意味を持つ祝日だ。正確にいうと三月一日だが、振り替え休日で月曜日が休みになったというわけ。つまり3日続けて休めたのだが、何のことはない、うちでゴロゴロしたり、友達と出かけたり、掃除をしたり、と普段と変わらぬ週末が一日延びただけだった。
ほとんどのレストランが閉まっているため、今日の昼食は繁華街の飲茶となったが、さすが街のど真ん中は人が多い。やっと駐車スポットを見つけて、ギーコギーコと切り返しを重ね、苦労して車を止めた(わたしは縦列駐車が大の苦手なのだ)。車から出てちょいと後ろを点検したら、後方の車から5センチと離れていない。げげ。ああ、危なかった。
それでも、時間通りに待ち合わせの飲茶レストランの前に行ったら、友達のひとりが手を振っている。その後ろに大きなポスター。「祝日のため、本日の会計には10%の祝日料金が加算されます」
ハワード政権のときに発令された新しい法律に、祝日の給料の増額というものがある。つまり、「祝日」の労働には、雇用主は50%割り増しの日給を支払わなければならない。今日はそんな祝日だから、もちろん繁華街で開いているレストランは皆一律に10%高くなっているというわけだ。
そんなに客が入るのを見込めない街はずれのレストランは、従業員全員に高い給料を払うくらいなら、と祝日閉店にすることが多くなった。そのおかげで、繁華街以外はほとんどの店が閉まり、しんとするくらい静かな日となる。
これは祝日だけで、週末には当てはまらない。週七日休みなしで開いている店では、日曜日は「休み」でもなんでもない、ただの開店日だかららしい。
そして、ここのところの不景気と豪ドルが意気消沈しているおかげで、原料もどんどんとあがっているらしく、どこのレストランでもメニューが新しい。つまり、値段が書き変えられているのだ。それプラス10%となったおかげで、数ヶ月ぶりの飲茶は皆が「ほう」と口をとがらすほど高価になっていた。
生活費が安い、ということがパースの住みやすさの筆頭に上げられていたころに比べると、ずいぶんと変わったものだと思う。
50%割り増しならまだお安いもんです。フランスでは,勿論業種によりますが、日曜・祭日は普通の仕事だと2倍の給与を払うか、通常と同じ給与を払ってしかも1日代休を上げるかです。観光業など日曜労働の可能性の高い業種は、日曜75%アップで祭日のみ2倍です。
5月1日のメーデーの仕事は、業種を問わず、労働基本法の規定で
-3倍の給与を払うか
-2倍の給与を払って1日代休を取ってもらうか
-通常の給与を払って2日代休を取ってもらうか
です。なので家族経営のところ以外はどこもしっかり休みます。
今は昔、景気の良くて、日本人観光客がどんどこ来た頃の日本人社会は、2倍払おうが3倍払おうが人手不足で、夜中まで電話かけまくって拝み倒して働いてくれる人を探したもんです。今は有り得ませんね、そんな景気のいい話。どこへ行っても人員整理と早期退職制度の話ばかりしてるもの。
すごいですねえ、それは。三倍の給料くれるんだったら、メーデーだって何だって働くぞっ、って人がいそうですね。せちがらくなりましたから。西豪州でもかなり右肩上がりだった鉱業界が、このごろでは人員整理で一度の何千人もの首切っています。
そういえば、わたしがスイスに住んでいたころもバブルの真っ最中から崩壊にかけてでしたから、日系の保険会社(@チューリッヒ)の栄華と衰退を目の当たりにしました。まさに「たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。」てなものです。ああ、むなしい。