がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

ケイティー・ヌーナンの歌声

オーストラリアのポップスというと、かなりローカルなので知らないひとも多いのではないだろうか。わたしも実はほとんど聞いたことがなかったのだが、通勤の車の中でつけっぱなしにしているFMラジオのおかげで、このごろではポツポツと耳に感じのよい曲が増えてきた。
たとえば、ジョージ (Goerge)というバンドでヴォーカルを担当しているケイティー・ヌーナン (Katie Noonan)。わたしが何年か前にオーストラリアで初めて買ったCDは、このバンドの「Polyserena」だった。オルタナティブな曲ばかりでどちらかというと地味なのだが、ヴォーカルの心に直接響く歌声はすばらしい。ケイティー・ヌーナンの声がなければ、このバンドがヒットチャートをのぼりつめることはできなかったと言っても過言ではない。
だが、このところ活動が華々しくないので、ケイティー・ヌーナンの話が出ることはあまりなかった。
ところが、またラジオから彼女の歌声が流れ出したのは、数週間前からだ。けだるい調子を含ませてはいるが軽快なリズムのジャズだ。はじめは、おやノラ・ジョーンズかな、と思ったが、それにしては歌がうますぎる。DJの話を気をつけて聞いていたら、それがケイティー・ヌーナンの新しいシングルだとわかった。
アルバムが出るまでにまだ一ヶ月もあるというのに、もうそろそろヒットチャートを上り始めているらしい。iTUNEのオンラインショップで調べてみたら、このシングルもプロモーションビデオが売られているだけで、曲だけの購入はまだできない。

彼女がローカルなテレビ局の番組に出たときのライブも見つけた。わたしは、このライブのアコースティックギターだけをバックにしたアレンジのほうが、好きだ。こちらのほうが、彼女がどれほど美しく豊かにリリックを表現できるかが実感できる。

オーストラリアにもこんな味のあるアーティストがいるんだよ、実は。

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