がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

「要塞」に住むわたし

学校の帰り道にスーパーに寄り、明日の「日本語で調理」授業に使う材料を買っていたら、突然携帯が鳴った。警備会社からだ。
「ご住所はxxxのxxxですね。屋内のゾーン3でアラームが鳴り出しました」
「へっ、ド、ドロボーですか?」
「たぶん違うと思いますよ。どの窓やドアのアラームも鳴っていませんから。帰れますか? それとも警備員をお送りしましょうか?」
「ちょうど近くのスーパーにいますので、すぐ帰ります」
「了解」

引越し先の家は「要塞」なのだ。
何しろ、ダブルで警報装置がついている。全ての窓、ドアに取り付けられている第一のアラームは、どこが開けられても鳴る。第二のアラームは、屋内の動作センサーだ。ちょっとでも何かが動くと鳴る。そして、どちらのどのアラームが鳴っても、登録してあるどれかの電話にわたしが出るまで、執拗に警備会社が連絡をとる。誰も出なかったら、警備員を送る。窓・ドアの開閉アラームと屋内センサーのアラームのどちらも一度に鳴り出すと、もうこれだけで警備会社から警察に電話が行く。誰かがドアか窓を開けて、屋内で動いているというのに、アラームが解除されていないからだ。これはもう居住者ではない。
と、まあこんな具合だが、まだオマケがある。最新の警備処置がつけてあるので、だれかがアラームの線を切って電話線を切ってイザ準備万端、となると、電話線がカットされた時点で警備会社に自動連絡が行く。
「要塞」なら、オクビョウモノのわたしも安心してでかけられるし寝られると思ったら、オオマチガイだった。ゆきちゃんがいるのだ。
誰も屋内に侵入した形跡がなく、しかしゾーン3(リビング・ダイニングエリア」で誰がが動いたとなると…。

「ハエの大群とか、でかいクモがいないかどうか、よく調べてください。それとも、ペットは?」
「います、猫が」
「あああああああ、じゃあそれそれそれっ。それですっ。猫はですねえ、すぐにソファに飛び乗ったり、カウンタからジャンプしたり、もうキマリっ。では、さようなら」と、警備会社のオペレーターは電話を切った。
うちに帰ると、確かにアラームが鳴っている。屋外からの侵入ではないので、外のアラームは鳴っていなかったが、それでもものすごい音だ。
近所の皆さん、ゴメンナサイ。

しかしこのことはよく処置を考えないと、毎回アドレナリンを大量に失いそうだ。今回は、たまたま近くで買い物をしていたからよかったものの、学校にいるときのわたしはほとんど携帯をチェックしない。
ゆきちゃんがカウンタに飛び乗ったからと言って、学校のレセプションから授業中に呼び出されるのもヤダなあ。

写真は、ガレージ横についた警報機(もうひとつは家の中)。この青いランプがぐるぐる回ってアラームが鳴る。下の灯りはセンサーなので、夜ひとが通れば自動的につく。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です