がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

ポークラグーソースのリガトーニ

ragù(ラグー)というのは、イタリア語で肉や魚をコトコトと煮込む料理のことだ。豚肉と牛肉のミンチをトマトソースで煮込んだものは日本ではボロネーズソースと呼ばれるけれど、あれはもちろんボローニャだけの特産ではないので、単にラグーソースと言うことのほうが多い。

rigatoni_raguわたしはあの肉汁がたっぷりとにじみ出たラグーソースが大好きだが、今日は即席モノ。というよりいつもの手抜きで手っ取り早く作ってしまう。というのも、まだ明日の準備が残っているのだ。

冷蔵庫の中には昨日の残りの豚肉がひときれ。ハーブはたくさんある。パスタはあらゆるものが揃っている。

玉ねぎをたっぷり刻み、オリーブ油で焦げないようにゆっくりと炒め、しんなりとなったらニンニク、タイム、唐辛子を刻んだのを加える。その間に豚肉を包丁でタンタンと限りなく細かく切っておく。普通は挽肉を使うのだが、今日はそんなものは冷蔵庫にない。それに、こうやって荒く切ったほうが肉の味がして美味しいこともある。
それを加えて、肉に火が通るまでさらに炒める。

そこに「さっきから飲んでいた白ワイン」を瓶からどぼんと注ぎ、量が半分になるまで気長に混ぜながら5分ぐらい。トマト缶を加え、色付けのためにトマトペーストも2さじ。同量のチキンスープ(キューブのコンソメでもかまわない)を加えてコトコトと煮る。時々見ながら汁がクリーム状になるまで15分ぐらいだろうか。

その間にわたしの大好きなパスタ、リガトーニを茹でる。茹で上がるまで12分もかかるが、ワインを飲みながらテレビのニュースでも見ていればすぐだ。

おっと、忘れないうちにグラモラータも作っておこう。この細かく刻んだレモンの皮、イタリアンパセリ、ニンニクをパラパラとかけると、スープもパスタも引き立つんだ。

rigatoni_ragu2最後にパルミジャーノ・レッジャーノのかけらを削った。ここで、アメリカ製の緑筒「パルメザンチーズ」と呼ばれる「もどき」を使うと、今までの苦労が水のアワだ。アレは味も香りもホンモノとは全く違う。たっぷりかければトマトソースも濁るヒドさだ。日本で手に入れるのは至難の技かもしれないが、デパートに行ったら一度はパルミジャーノ・レッジャーノの小さなかけらをひとつ買ってほしい。あの緑の筒を蹴飛ばしてゴミ箱に投げ入れたくなるから。

こういう素朴なラグーソースは、材料で決まる。
普段の料理の手間は惜しむが、材料さえ良ければなんとかなると思っている。つまりはグータラの言い訳なんだけど。

 

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