パースはここ何ヶ月か40度を超える日がかなりあり、エアコンのない教室で教えているセンセイにはことの他つらい夏だった。
バンコクの夏は久しく経験していなかったので、身体が忘れちゃっていたのかもしれない。温度ではパースに負けてはいるが、湿度はかなりのものだ。キッチンで夕食を作るのは、殺人的でさえある。
野菜でもローストしようとオーブンに火をいれたら、キッチンまでオーブンの中のように「熱く」なってしまった。何度もリビングルームに戻って涼み、息を整えてからまたキッチンで食事の支度を続ける。そんなことを繰り返していたら、肉をグリルするのが嫌になってしまい、代わりにパースから持ってきたサラミと生ハムを切ってパンを添えた。