実家の老母は、初めての子であるわたしを身ごもっていたとき、無性にラーメンが食べたくなった。ひとりで外ゴハンを食べる女性をほとんど見なかった時代の話だ。
それでも食べたかった母は、自分の母(わたしの祖母)を誘ってラーメンを食べ歩いたらしい。「同じラーメン屋さんに毎日行くわけにもいかないでしょうが」というのが理由だった。外ヅラのいい母のやりそうなことだ。おかげで、祖母はその後ラーメンなんか見るのもイヤになり、生まれたわたしはラーメンがダイスキになった。
こういう「日本でしか気軽に食べられない庶民の味」が手に入らない地域に住んで、久しい。
手に入らなかったら「作る」はスイスに住んでいたときからだ。うどんも手打ちにしたし、高価な納豆もひとつだけ買った冷凍納豆の納豆菌から作った。パンとワイン(またはビール)で漬物も作った。
根が食いしん坊だと、こういうときだけは腰が軽い。
さて、今回はなんとなくラーメンが食べたくなった。わたしは東京出身なので、ラーメンといったら東京風の醤油ラーメンだ。味噌ラーメンやとんこつラーメンはあまり食べない。いや、訂正。食べることは食べるが、「選べ」と言われたら「醤油ラーメンねっ」となってしまう。
そもそも、なぜこんなことになったかと言うと、スーパーで安売りのデカイ肉のかたまりを見たからだった。脂がのっている肩肉のかたまりだった。
「こういうので、煮豚を作るとウマイんだよねえ」と思った。そして、「美味しい煮豚をのっけて、煮豚をつくったスープでラーメンってのもいいねえ」と連想した。
決まり。
煮豚を作るときには、ロースのいいとこなんか買っちゃあいけない。パサパサになってしまうからだ。肩肉ぐらいで脂がすっと入っているもののほうがいい。
ズンドウ鍋にネギの青い部分をどっさり入れて、ショウガのスライスも沢山。そのまま沸騰させる。そこに肉を入れたら、湯がきちんとグラグラと動いているくらいの温度を保って1時間ぐらい。おっと、醤油を隠し味でスプーンに1杯加えるのを忘れないように。
しかし、調味料は入れない。塩や醤油や砂糖などを入れてから煮ると肉が固くなってしまうからだ。
肉が煮えたら、醤油、酒、みりんを混ぜて煮切ったものの中にどぶんと入れて、これまた1時間以上漬けておく。
実は、白髪ネギを添えてスライスした煮豚はおつまみにもってこいだ。
いや、いかん。今は昼間だ。わたしが作っているのは、ランチなのだ。
さて、麺は…と探したら、ない。買って冷凍にしておいたものは食べてしまったのだ。スパゲッティーさえ、ない。それさえあれば、重曹を使って完璧な中華麺ができるのに。まさかリボンパスタでラーメンを作るわけにもいかないじゃないか。
今日は日曜日なので、街中まで行かなければ中華食品店は開いていない。仕方なくパントリーを漁ると、一度サラダにするのに使ったちょいときしめんっぽい乾燥麺が出てきた。もう、これでいいや。
ということで、出来上がったのがこれ。
スープは醤油と塩で味をととのえたが、長いこと煮込んだ豚肉のせいで絶品。煮豚は、箸でちぎれるほど柔らかい。しかし、厚切りにしすぎたせいで食べ過ぎ。結局、肉とスープで腹いっぱいになり、麺は半分以上残すことになった。
大量に作った煮豚とスープは、近未来のため冷凍して保存する予定。だから、今度は必ず中華生麺を用意なくてはね。
食いしん坊は、他のことに関して記憶力が悪くても「今度絶対食べようと思っているもの」に関しては決して忘れないものなのである。
(゜ー゜)(。_。)ウンウン ラーメンは食べたくなりますよね〜
昨日 修理に出しておいた腕時計を取りに行った帰りに「山岡屋」という
ラーメン屋に一人で行き食べてきましたよ♪美味しかったです〜( ̄¬ ̄*)じゅるぅうううう
そちらだと作るしかないのですね〜それにしても美味しそうなラーメン&煮豚が
できましたね!!
高校の時 夏休みにラーメン屋でバイトしていたのですが 毎日ラーメンでしたけど
飽きずに毎日食べ いまでもラーメン好きですよん( ̄m ̄* )ムフッ♪
★ティビママさん:
ああ、ラーメン屋に行きたい。バンコクでも日本風のラーメン屋があるので、絶対ひとりで食べに行くと思います。煮豚は美味しかったですよー。まだ大量に冷凍してあるので、小出しにして楽しみます。白髪ネギでおつまみってのもやらなくちゃ。
あ、嬉しい。ラーメン好きのおナカマ!