がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

バンコクの雨で綿菓子アタマに変身

パースもバンコクも雨期に突入しているが、地球の南極に近いほう、パースは「冬」真っ只中にある。かたやバンコクは一応「夏」、雨のせいで湿度が高くどん よりと曇った空が鬱陶しい。自宅8階のテラスから辺りを見渡すと、前回の帰国のとき満開だった火焔樹の真紅の花が姿を消し、代わって緑が一層濃くなってき た。湿度のせいで、この時期バンコクの樹木は大変に密度を増すのだ。このマンションの周りは、まだ個人住宅の多い一角なので、まるで樹木の間にかろうじて 家が見え隠れするほどの緑の量である。

そしてその緑の幕の一角から、ちりんちりんと屋台のガイ・ヤーン(焼き鳥)売りの鐘が響き、マン ション前の小道にランチ時のひとびとが集まる。この回りで働くひとびとを狙ってか、5年ほど前からひとつ、またひとつと屋台が増えだし、今では5つほどの 店が開く。汁ビーフン、ぶっかけ飯、チャーハンに焼きそばなど、みな素朴なものであるが、わたしはランチ時になると、よくこれらの屋台を利用する。
今日も、焼き鳥ともち米ご飯を買いたくて、雨がやんだのを見計らって外に出た。包んでもらっているうちに、それまでオフィスの冷房の中でまっすぐだった髪が、突然の湿気を含んでみるみるうちに綿菓子のようなバクダン頭に変身してしまった。

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