バンコクでよく行くスーパーの入り口には、花屋の屋台がぎっしりと並んでいる。風向きのせいだったのか、その花屋を通り過ぎるときに何ともいい香りが鼻を ついた。ジャスミンである。優しく甘いだけではなく、底にきりっと清々しさも含んでいて、わたしの好きな花だ。屋台では、白くて小さな花をしっかりと繋い で丸く輪にし、飾りの薔薇や房をつけてお供え用のジャスミンリングを作る。お寺や土地神サマの祠で毎日のように見かけるタイのブーケである。
どこの土地にも独特の香りがあるが、わたしにとってのタイはこのジャスミンの香りと強く結びついている。