がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

腫れているのはどの指か

ステファンは大きい子だ。14歳ですでに180cm以上はあるし、体重だって150kgぐらいありそうだ。「大きい」を超えて、すでに「太っている」と言ってよいだろう。
こ のステファンが、今日しかめっ面をしていた。「どうしたの」と聞くと、「指を強く打って痛くてたまらない」と言う。突き指かもしれないので保健室に送った が、すぐにビニール袋の氷を指に押し付けながら戻ってきた。様子を見るということだったのでそのままにしておいたが、授業が終わるとまだしかめっ面をして いる。「まだ痛いの」と聞くと、「なんか腫れてきたみたいなんです、センセイ」とわたしを見下ろしながら哀しそうに言い、「センセイ、見てよ。なんかほん とに腫れてきてるでしょっ」と指をわたしの顔の真ん前に突きつけた。
おお腫れているじゃないか、と思ったが、次の瞬間「どの指も腫れている」こと に気づいた。そりゃあ彼には「ホントウに腫れている指」見分けられるのだろうが、わたしにはどれもただ単にぱんぱんに太った指に見え、もう笑いを抑えるの に必死である。ここで笑っちゃったら少年を傷つけてしまうじゃないか、ねえ。

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旅 行にきた日本人男性とオーストラリア人女性の恋を描いた「ジャパニーズ・ストーリー」という豪州映画が公開されているので、もうひとりの日本語教師そして 日本人のTA(ティーチング・アシスタント)と一緒に鑑賞。アウトバックの壮大な景色に圧倒されるが、ストーリーが負けちゃってるな、という印象も受け る。
その後は近くのイタリア料理屋で軽くピザを分け合っておしゃべりを楽しんだ。1度もはいったことのない店だったが、水曜日だというのにものすごい混みよう。ずば抜けて美味しいというわけではないが、まあまあの味と値段が、気軽にひとを呼ぶのかもしれない。

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