がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

本人だけが知らない

金曜日、土曜日と立て続けに暴飲暴食を楽しんだため、日記を書く時間にはすでにデキアガっていた。そして気がついたらすでに日曜日。週末は時の過ぎるのが実に早い。

金曜日にパブでいつものように待ち合わせ、その後マッドクラブ(泥蟹)の美味しい中華料理屋で宴会。パブでちょっと飲んでおしゃべりを楽しむが、宴会には加わらないひともいる。
「や やっ、また逃げた。xxxは渋ちんだからなあ。」と言う声が聞こえたと思ったら、またわたしの目の前に白ワインの新しいグラスが登場する。豪州名物シャウ ト(Shout)だ。パブでは普通、食べ物を頼まないかぎり、スタッフが注文をとりに来ることはない。カウンターで注文し、飲み物が目の前に置かれたら支 払い、自分の好きな場所で座ったり立ったりして飲む。シャウトというのは、ひとりが全員の飲み物を買い、それが空いたころにまた別のメンバーが全員の飲み 物を買いに行くことだ。だから5-6人ほどの仲間で飲んでいると、順番に飲み物を買いに行き、最後には皆仲良くかなり酔っ払ってしまうことにもなる。とこ ろが、このシャウトでタダ飲みをしながら、自分の番が回ってくるころに調子よくいなくなってしまうヤカラが必ずいるのだ。前述の、若いxxxはこの常習犯 である。飲み物がちょうど4杯ほど回れば、そろそろ皆陽気になってくる。だから誰も彼が1ドルも払っていないことなんぞ気がつかない、と本人はタカをく くっているのだろうが、実際には皆知っているのにオトナだから何も言わないだけなのだ。

この「本人だけが」誰も気がつかないと思うヘンテ コな現象は、何もシャウトに限ったことではない。体臭だ。様々な人種の住む豪州では、そりゃあ体臭の強いひともいる。しかしあれだけ強い匂いを放っておき ながら、回りのひとが全く気がつかないと思うのはあまりにゴウマンじゃないのか。自分の体臭を知っている、ある友人は言う。「僕は体臭が強いから、朝の シャワーはかかさないし、薬局で買う強力な薬用デオドラントクリームを使うよ。今はデオドラントにも色々あるんだ。そして、汗をかいたらシャワー。シャツ もひんぱんに着替える。これが鉄則。自分で気がついたら、もう隣のひとの鼻も曲がっているのは当然だからね。手術をしなければならないほどの体臭なんて、 そんなにあるわけじゃないんだ。」

シャウトの「飲み逃げ」とめまいがするほどの「体臭」、このふたつは誰も面と向かって注意しないだけに、本人の自覚と常識が戻るのを祈るばかりだ。
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今晩の食事は、「たまには鉄分を沢山取ろう」のスローガンのもとに、鶏の砂肝とレバーのマリネ、オーブン焼き。先週チキンローストを作ったときの余ったマリネソースを使った。ピリ辛ソースは食欲も進む。そしてもちろん休肝日である。

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