このところ暖かかったのだが、また気温が下がってきた。「女心と秋の空」なんぞ と日本では言うが、こちらは春の天気が変わりやすい。しかし、どちらを向いても花が咲き乱れ、そぞろ歩きが楽しい季節でもある。パースを州都にする西オー ストラリアは、珍しいワイルドフラワーが満開なのだ。わたしのような新参者には名もわからない花が多いが、こんなにたくさんの野生の種類は、他の場所では 見られない。学校のそばの大きな貯水池では、こんな鮮やかなオレンジ色の花がびっしりと列を作り、その下の低い場所を黄色い可憐な花が覆っている。
庭 のある家に引越したいなあ、と思うのはそんなときである。オーストラリア、特に西オーストラリアの現地植物は素朴で美しい。栽培も比較的簡単で、それらを 食料とする色鮮やかな鳥たちもやってくる。来年あたり、今住んでいる街のど真ん中の「トレンディ」なマンションを引き払い、ほんの少し離れた郊外に住んで みるか。「でらしね庵」なんちゃって、ね。