1年に4回帰っているので、パースでタイ料理店に行く機会はほとんどない。というより、オーストラリアで食べるタイ料理はどうも味を「オーストラリア人好み」にしているようで、甘ったるくて刺激が足りないのだ。ハーブの香りも少ない。
だから、Victoria Parkに新しいタイ料理店が2年ほど前にできたときも、さほど期待していなかった。
間口は狭く珈琲店を改造したような雰囲気で、タイらしい風情もない。ただし、給仕してくれるのはタイ人女性がふたり。席につくと、小さなキッチンはホールからも見える。そこで働いているタイ人がやはりふたり。メニューは基本的なタイ料理ばかりだが、どれも10−15ドルで確かに安い。
わたしの好きなラープ・ムーはなかったが、豚ひき肉の代わりに鶏ひき肉を使ったラープ・ガイがあったので注文。悪くないがもう少しライムが効いているほうがいいなと思う。
定番の鶏肉と野菜の炒めものはもう本当にタイの味だ。ショウガとチリを加えたオイスターソース炒めだ。これだけを頼んで白飯さえあればランチでもいける。
もうひとつは、ゲーン・ペッド・ペット・ヤンと呼ばれる鴨のレッドカレー。これは味としては申し分ないのだが、砂糖が多すぎて少々甘ったるい。そのぶんもう少しチリを効かせてもらいたかったが、あまり辛いとオーストラリア人たちが食べられないのかもしれない。
炒めものはそこらへんの中華(などと言うと怒られそうだが、いい加減な店もかなり多いので)よりはるかに美味しい。野菜と肉のバジル炒めなんぞにライスだけつけたら10ドルちょっとだ。学校の帰りに料理したくないときなどに、さっと寄ってさっと食べて帰るのもいいかもしれないな、と少し選択肢が増えたAlbany Highwayを渡りながらにんまり。