がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

マグロのステーキ、オリーブと香菜の和風ソース

マグロと言えば刺身、それ以外の加熱用はショウガと醤油で甘く煮ていた。これが母の味。沢山買って、色の濃い血合いの部分は猫のゴハン用にさっと茹でる。サバもそうだが、ショウガと醤油の香りにほんのりと魚臭さが加わるだけで、実家の台所を思い出す。

刺身用のマグロは、例によって中国系の魚屋で手に入るが、今日買ったものはその刺身用と加熱用のマンナカぐらい。
「今朝まで刺身用で売っていたヤツだから、両面さっと焼くぐらいで食べてね。ぐつぐつとトマトソースなんかで煮込まないでね」
丸顔のオニイサンは、何だか心配そうに念を押してから包んでくれた。

マグロはもちろん完全に火を通してしまったら、ぱさぱさしてあんまり美味しくない。だから、オニイサンに言われるまでもなく、オリーブオイルを熱して煙が出るまで待った。そして、軽く塩コショウしたマグロを表2分、裏返してまた2分。マグロを取り出してからオリーブオイルを足し、刻んだ香菜、ショウガ、オリーブを放り込んで白ワインをそそぐ。アルコールがとんだら、ライムをぎゅうと絞り、ざっと醤油を回しかけて火を止め、マグロの上からかけるだけだ。

付け合せのマッシュルームとアスパラは、マグロの支度をしている間にオーブンで15分ほどローストした。こちらは、塩コショウだけ。

ナイフでそっと切ったら、真ん中はピンク色だ。牛肉のステーキで言えばミディアムレアくらいだから、ナマではない。このくらいの火の通し方だと、柔らかい肉の甘みがまだ残っている。

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