がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

母の手料理の後はステーキに

実を言うと、わたしは実家では料理を全くしない。
そりゃあ、皿洗いや片付けはする。しかし、料理は母、と決まっていて、生まれてからほとんど実家で料理らしい料理をしたことがない。

母の作るのは、もちろん家庭料理だ。 実沢山の味噌汁や、自家製の漬物、酢の物、そして肉や魚。そして忘れてはならないのは、真っ白な炊き立てご飯だ。シチュウだろうが、グラタンだろうが、スパゲッティだろうが、白いご飯は食卓にある。「パンだって食べますよっ」と言う母だが、その実態はソソクサと済ませる朝ごはんだけだ。夕食にパンが出たり、ご飯無しで済ますことは、まずない。
だから、母の風邪が回復していなかった最初の三日ほどは、テンヤ物で済ませたり、近くのセブンイレブンのお世話になっていたのだが、入れ替わってわたしの風邪が重くなってからは、ほとんど母の手料理だ。わたしの東京里帰りでは、これがイチバンの楽しみと言ってよい。

そんな母の味付けを思い出しつつも、今晩はガラリと変わってステーキ@バンコク。

風邪が治りきっているわけではないので、またも運転手に頼んで野菜だけ買ってきてもらい、パースから持ってきたサーロインステーキを解凍して、フライパンでミディアムレアに。めんどくさいので、コロコロに切った野菜は全てオリーブオイルをまぶし、オーブンで焼く。出来たら特製ドレッシングをからめ、美味しいパン屋で買ってきたバゲットを添えて、おしまい。

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