がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

縁なし眼鏡はビン底には使えない

そろそろ眼鏡も新しくしたほうがよいので、丸々と着こんで池袋へ。
普段はコンタクトレンズを使っているが、週末や夜は眼鏡をかけることも多いのだ。必需品だが、買おう買おうと思いながらもつい忘れてしまうもののひとつでもある。

お 店のオネエサンにも手伝ってもらって選んだのは、細くて下フレームなしの眼鏡。ところが、ここで処方箋を渡したところから問題が起こった。わたしのレンズ の処方だと厚みが3.2mmにもなる「ビン底」になってしまい、フレームがないとかなりレンズの厚さが目立つのだ。これで「超薄型レンズ」である。普通の レンズだと、3.5mmだ。たかがミリメートルだと思うなかれ、店の眼鏡サンプルにはいったレンズはどれもたったの2mmである。
仕方がないので改めて選び直し、ぐるりフレームありのタイプに決めた。

支 払いと保険の手続きを待っている間、わたしの眼鏡選びを手伝ってくれたオネエサンはわたしに椅子を勧めてお茶を持ってきてくれたり、無料でついてくるケー スを選んでくれたりといたれりつくせりである。こうした細やかなサービスはやっぱり日本だよねえ、と嬉しくなってしまう。

彼女は赤くて細いフレームの眼鏡がとてもよく似合うきれいな女性だったが、ふと周りを見るとスタッフは全員眼鏡をかけている。ひとりの例外もなく、だ。
「ここのスタッフの方たちは皆目が悪いんですか、それとも伊達眼鏡?」と聞いたら、「わたしは正真正銘ド近眼ですが、スタッフの半数はただのガラス眼鏡です。」とのこと。
「まあ、これはユニフォームの付属品のようなものです。時計屋店員の腕時計や、貴金属品店店員のダイヤの指輪みたいって言ってもいいかもしれませんねえ。わたしたちは歩く広告塔ですから。」

なるほどねえ。
確かに、わたしの通っていたフィットネスクラブのスタッフは筋肉モリモリのオニイサンたちだったし、エステのマッサージ嬢もほっそりとした美人ばかりだった。

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