がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

非常勤務専門のセンセイたち

「こんばんは、元気になりましたか?」受話器から聞こえてきたのは、綺麗な日本 語だった。名前を言われて思い出したが、月曜日にわたしが早退するとき、急遽呼び出されてきた非常勤務専門の日本語教師だ。去年近くの公立高で、わたしが パートタイムで働いていたときにも、よく他の日本語教師が休みのときに穴埋めとしてきていた先生だった。そのとき「どうして定期的なお仕事をなさらないの ですか?」と聞いたのだが、「上級生の選択クラスだけならいいけど、8年生9年生は反抗的な子供が多くてとても疲れるから」とのことだった。こうした非常 勤務専門の教師は、彼女のように専門科目だけを申請したり、または「どんな科目でもやりますよ」で巡回したりと、市内ではかなりの数になると思われる。人 間関係にわずらわされないし、またあらかじめ何をするのか常勤教師からメモがあるので気楽というのもある。ほとんどが自習まがいの授業だから、要するに 「集団ベビーシッター」のようなものだ。何も準備しないでもよいというのも、魅力かもしれない。しかし、わたしのような長期契約教師や他の終身雇用教師な どのように、病欠や学期休み中の給料はない。

それでも年々こうした非常勤務専門教師が新米教師の間でも増え続けている。原因は、もちろん以前にも 書いた「終身雇用教師優先システム」(7月27日日記)である。市内のフルタイムがこうした優先権を持つ教師で占められている以上、週4-6時間の仕事で も1年契約になれば、その時間帯は完全に1年間拘束されるわけだ。もちろん、それがたとえ4日にまたがっていても、だ。従って、空いた時間帯にできるよう な非常勤務の仕事は大幅に減る。というより、もう不可能に近い。そして、週4-6時間で生活が成り立つわけでもない。だから、1日単位の日当が支払われ て、科目の選り好みさえしなければかなりひんぱんに教壇に立てる非常勤務に、新米教師たちは流れる。
パートタイムで働いているのは、貯金をくずしながら生活しているわたしのような流れ者以外は、「夫がフルタイムで働く家庭の主婦」を兼業しているひとがほとんどである。うーーん。
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今晩の食事は、まだ喉の通りがよくないので簡単に。タリアテッレと呼ばれる平たいパスタに、自家製トマトソースを解凍し、焼いたマッシュルームとあえる。パルミジャーノだけはいつも買い置きがあるので、がりがりとけずってふりかけた。

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