がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

風邪にヨーグルト

1週間出勤しなかった学校は、別に何も変わっていない。変わっていたのは、わたしのデスクの上だけだ。ものすごい量の書類が端から端まで覆っている。1日 5時限の授業が5日間あった分だ。非常勤のセンセイが授業に使った出欠表とワークシートが、束になって山のよう。その他にも学校からのお知らせやら、生徒 に関する情報やら。どこから手をつけたらいいのか、途方に暮れてしまった。
オマケにまだ完全には回復していないようで、立ちっぱなしで授業をしていると時々目が回る。参ったなあ。

写 真は、インフルエンザ感染中に毎日食べ続けた無脂肪・無糖のストロベリーヨーグルト。偶然このヨーグルトの買い置きがゴマンとあったせいで、先週一週間生 き延びられたのだ。ほとんとふさがってしまった喉に通るのは、これとお茶だけ。たまに食べると美味しいのだが、毎日じゃあさすがに飽きた。もう当分目にし たくない。
しかし、この「風邪にはヨーグルト」というのは、昔から実家のメニューでもあった。わたしの小さい子供のころには、カップにはいったフ ルーツヨーグルトなどなかったから、わたしが熱を出して寝込むと、母が牛乳屋さんで平たい瓶にはいった甘いプレーンヨーグルトを買ってきてくれた。ちょう ど牛乳瓶の半分くらいの高さだが、紙のふたがしてありその上からセロファンがかけてある。昔のヨーグルトはなんだか寒天のように妙に固かったのを覚えてい る。熱でほてった身体に、甘く冷たいヨーグルトは優しい。だから、風邪で学校を休んだときには、ヨーグルトが枕元に置かれることは、母を独り占めできる心 地よさともあいまって、ささやかな特権の証しだったのだ。

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