がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

白い背景によくうつる本

友達との約束までまだ時間があったが、天気もよいので開いている本屋で時間をつぶす。そこで手にとったのがこの本、”Museum of Hoaxes” Alex Boese, 2002 Penguin Books。「悪ふざけ博物館」と名づけられたその本は、世界各地から集められたデマ、ウソ、冗談の数々が年代順に整理され、悪ふざけの大好きなわたしは 迷うことなくレジへ。
家に帰ってぱらぱらとめくってみたら、ホームページまであるらしい。作者、というより収集者はカリフォルニア大で科学史の博士論文執筆中、その研究の一環として始めたのがこのホームページらしい。こういう冗談みたいなリサーチもあるのか。楽しそうだな、大学院。

メディアによるエイプリルフールの嘘八百もかなり載っている。
1957年の英国ニュースショー「パノラマ」では、異常暖冬の南スイスで「スパゲッティ」が大豊作となったと発表。ご丁寧に、シダレ柳のように木の葉の間から垂れ下がる生スパゲッティを収穫、バスケットに入れる女性の写真まで出した。
「スイスでのスパゲッティは、イタリアでの大規模な産業とは違い、家族単位の小さなものなり」「しからば、我々スパゲッティ愛好者にとり、自分の庭で作る生スパゲッティに勝るものありや。」
ここですでに大笑いするのは現代のわたしたちだが、50年代のイギリスとなるとそうはいかない。テレビ局にはじゃんじゃんと電話がかかり、どこで「種」だの「苗木」だのを買えるかという問い合わせが殺到したそうである。
その番組のカメラマンのひとりが思いついたアイデアだったそうだが、そのヒントとなったのが彼の高校時代の教師の言葉だったらしい。「君は、スパゲッティが木に生るって言われても信じちゃうくらい、ほっっんとうにバカモンだ。」

この話を友達の台湾人にしたら、「そのカメラマン、よく解雇されなかったね」と逆に感心されてしまった。エイプリルフールの育つ環境ってのは、きっとあるのだ。

もっと腹かかえたい方々、ホームページ Museum of Hoaxes(英語)までどうぞ。

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