がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

ソイ53のBACCO(バッコ)

Baccoは何年も前から時々行っているイタリア料理店だ。
ただし、騒々しい。奥行きのある大きなレストランは、いつも大勢のグループか家族連れで賑わっている。車で入り口から入ると、駐車してくれるバレット・サービスがあって、チケットを切ってもらってから車のキーを渡す。向かって左側が喫煙席のあるワインバーとレストラン。右側がその4倍以上あるレストランで、普段はこちらに通される。

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場所に寄ってはエアコンの風が強すぎるので、今日も座ってからウェイトレスを呼んで席を変えてもらった。

白ワインをグラスに一杯。メニューを見ながら、パン、ハーブを載せたピザブレッド、グリッシーニ(細く長いカリカリのクラッカースティック)をつまむ。これは無料だ。

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ここでのお楽しみは、その場で切って出す生ハムやサラミのコールドカット。100グラム単位で提供しているが、その半分でもいいと知っているひとは少ない。だから、わたしはいつも生ハムのプロシュート・ディ・パルマとコッパをそれぞれ50gずつ注文する。生ハム類はいずれにしろ紙のように薄く切るものなので、50gずつ2種類で220バーツ(約820円)なら、2人用の前菜として十分だ。パックされて売っているものと違い、その場で切った新鮮な生ハムは実に美味しい。ただし、惜しいかな、これにはイタリアのゴツくて密度の高いパンを添えてほしかった。平たいピタパンでは、どうも合わない。

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サラダは定番のシーザーサラダ。
ここのサラダのおもしろい趣向は、ボウルがカリカリのクラッカーで作られているということ。これはサラダと一緒に食べられる。

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この後にメインとして出てきたのは、NAPOLI(ナポリ)と呼ばれる、モッツアレラチーズ、トマト、アンチョビ、ケイパー、そしてふんだんに振りかけられたオレガノのシンプルなピザ。その大きさに皆ビックリしてしまうが、何しろとても薄いので若い男性なら1枚ペロリと食べてしまえそうだ。チーズも惜しみなく使ってあり、これは店のお勧めだけあって美味しい。

ピザは1枚をふたりで分けて食べたが、それでもデザートはさすがに辞退した。そして、ここは食後の珈琲をゆっくり飲みながら談笑する場でもない。隣のテーブルの子供たちは、食事を終えて探検に出かけて走り回っているし、3つ先の大テーブルでは、酒が回り始めたオーストラリア人たちのグループの声が少し大きくなり始めている。

お勘定を頼むと、二人分のリモンチェロのごく小さなグラスがふたつ、無料で供される。甘くて爽やかで、こってりとしたピザの後には舌に優しい…が、これはウォトカベースで、ささっとひとくちで飲んだら結構酔いが回る。ご注意を。

 

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