写真は今日のトリュフ狩りでの収穫。土を落としてきれいにしてある。小さいのから大きいのまで色々あった。
測ってみたら全部で294.5グラム。ここで直接購入できるトリュフは1グラムで2ドル(約180円)なので、全部買うと5万4千円ぐらいということになる。
トリュフの賞味期限は短い。生で食べて美味しいのはせいぜい2−3日。密封すれば1週間は持つ。保存方法は色々あるが、脂肪分の多いブリーなどのソフトチーズを半分に切って間に挟むというやりかたでトリュフチーズをつくることもできる。ただし、これも2週間保存が限度。味見させてもらったが、確かにトリュフの風味が損なわれず美味しい。
もうひとつは、湯煎にしたバターに細かく練り込んでトリュフバターを作る。これも保存方法としては便利だし簡単だ。
こちらも風味がバターに移って非常に美味しい。
トリュフオイルなどというものが市販されているので、それも保存方法かと思い聞いてみたら「ああ、トリュフオイルなどというのはまがい物。よくバニラエッセンスなどという香り付けだけに使う人工香料があるでしょう?あれと同じ人工香料を使っているだけ。ホンモノのトリュフでオイルは作れないから」とのこと。つまりオイルの中に入れて保存というのは真っ赤なウソらしい。オリーブオイルで保存できるのかと訊いたら「無理」と言われた。オリーブオイルは匂いが強すぎるのでトリュフの香りと相殺されてしまうという。
トリュフソルトという塩に細かいトリュフ片を混ぜ込んだミックスも売っているがギャヴィンは鼻で笑う。「2週間しか香りがもたないトリュフで1年以上もほうっておける塩ミックスなんかできるわけがない。くずトリュフを見えるように混ぜて人工香料を振りかけただけ」
その代わり、トリュフウォッカは保存方法としては一番長くもつ。スライスしたトリュフをウォッカの10%の分量で加え、冷暗所で保管。1週間ぐらいから飲むことができる。カクテルもできる。ブラックウォッカ・マルティーニなんか美味しいよ、と言われた。今回は、ギャヴィンが自分でつくったトリュフウォッカを試飲させてもらった。
ウォッカではよく果物やチョコレートなどで香り付けをされたものが売られているが、これはまさしくトリュフの香りがぷんと鼻をつく。
ギャヴィンのところではトリュフスライサーも売っていた。スライスする厚みが調節できて便利にみえたが…これで50ドル(約4500円)もする。まさかそんなにスライスするほどのトリュフをいつも買うわけではないし、ウチには性能のいいスライサーもあるのでこれは購入を断念。
結局ウチに帰ってからウォッカとチーズはやってみたいので、今日皆で収穫したもののうちひとつだけ買った。36.5グラム、約6500円。
真空パックにしてもらい、保冷剤を入れて発泡スチロールの箱に梱包してもらった。ギャヴィンが言うには「これなら3日は大丈夫」とのこと。
途中ギャビンの牧場の側を通ったら、牛にじぃっと睨まれた。うわ。
牧場の先には春の訪れを知らせるワトルの黄色い花が満開だ。気温はまだ上がっていないけれど、春は確実に近づいている。
もうすでに1時半を超えていたがお腹は空いている。マンジマップの街中へ戻り、ギャヴィンお勧めのパブレストラン「Tall Timbers」へ。広くて天井が高い。
ここではデラックスハンバーガーというものがある。何しろトリュフのスライスが8グラムも乗っているスペシャルだ。前日のとんでもなく不味いハンバーガーを思い浮かべて、「リベンジのハンバーガー」として注文してみた。ほとんど4000円近いが、ここまではるばるパースからやって来て本場のトリュフを満喫せずして何としようぞ。
ハンバーグはきちんと自家製、ビートルートもクリーム状にしてあり、チーズはスライスしたチェダーチーズ。上にはスライスしたトリュフがこれでもかと乗っている。そしてフライドポテトも皮付きポテトをそのままビールと衣に浸してあげたウェッジだ。外はカリカリ中はホクホクである。
目の前に置かれただけですでに芳醇なトリュフの香りにやられてしまった。前にも書いたとおり、パスタの上にヒラヒラと散っているくらいのトリュフしか食べたことのないわたしなので、こんなに沢山食べていいのかと思うほどの量だ。
トリュフは「味」を楽しむというよりは、その「香り」を楽しむものだ。確かにこのハンバーガーは今まで食べたことのない香りに包まれていて、昨日のあの酷いハンバーガーを忘れるには充分すぎるくらい。トリュフがなくても、その味は前日のものとは比べ物にならない。ただし、トリュフ以外も「オーストラリア風大盛り」なので、サラダとフライドポテトは半分ほど残してしまった。
ワインとともにゆっくりと食事をしていたので、マンジマップを出たのはすでに4時近い。
ホテルに帰ってから水を買いにぶらぶらと歩き、昨日のEmporium Bistroで珈琲を飲んだあとは、地元のテレビをつけっぱなしにして読書三昧。ランチが大きすぎたので夕食は抜き。いずれにせよ、やはり少し疲れていたのか、10時前には寝てしまった。