遅い帰宅で、しかも何も新鮮な野菜だの肉だのがないときの夕食は…パスタだ。
パスタは実はイタリアの麺類の総称で、スパゲッティーもマカロニもラザーニャもフェトチーネもタリアテッレもリガトーニも全てパスタの種類でしかない。パスタは「スパゲッティーの洒落た言い方」ではないので、念のため。
基本のスパゲッティーは、オリーブオイルとニンニクと赤唐辛子のみ。Spaghetti aglio e olioという実にシンプルな一品だ。
まず湯を沸かしている間に、ニンニクをスライスし、赤唐辛子とイタリアンパセリをみじん切りにする。パルミジャーノを削る。決して、決して、あのクラフトの緑色の筒に入った粉チーズを使ってはいけない。あれは、チーズの匂いのするマガイモノだ。そんなに沢山使うわけではないので、パルミジャーノのかけらを買っておき、ぺーパータオルでくるんでジップ付きのビニール袋で保存すればかなり長いこともつ。一度本物のパルミジャーノを削ったら、あまりの味の違いにもうあの筒チーズには戻れなくなる。
さて今回は冷蔵庫にアンチョビーが瓶の中にヒラヒラと2切れほど残っていたので、それも叩いてみじん切りにした。これが材料の全てだ。
さて、ここで湯が沸いたのでスパゲッティーをパラパラと入れる。
そして、隣のコンロでたっぷりのオリーブオイルをフライパンに熱し、ここにニンニクとアンチョビーを加えて中火でゆっくり炒める。ニンニクがきつね色になってアンチョビとともに良い香りがしてきたら、ここにスパゲッティーを茹でている湯を少し加えてやる。こうするとスパゲッティーがしっとりと仕上がるからだ。
茹で上がったスパゲッティーを湯を切ってフライパンに放り込み、赤唐辛子とパセリを加えてざっと混ぜ、火を止める。皿に盛ったらパルミジャーノをたっぷりとかけてオシマイ。
これは基本のスパゲッティーだが、もっと材料があるときには何でもフライパンに加えてみたらいい。エビでもアサリでもイカでも鶏肉でもブロッコリーでもズッキーニでも。
トマトソースも好きだが、こんなふうにシンプルな味付けのスパゲッティーもなかなか美味しいものだ。パスタを茹でるだけの時間でできるが、これにサラダを添えればちゃんとした晩ゴハンだ。
わたしは、こんな簡単な晩ゴハンを平日に来る友達にも出してしまう。楽しいおしゃべりとちょっといいワインを添えたら、コワイものなし。