日本ではこれから暑くなるというのに、こちらは日増しに寒くなっている。南半球のオーストラリアはすでに初冬だ。
こういう時期になるとやっぱり実だくさんのスープが食べたくなる。
手羽先は安いので1キロ買ってきて、塩コショウしてから220度のオーブンへ。焼けたらそのまま大鍋に入れて、チキンブロスを上から流し込む。煮立ったら弱火にして、骨が身からするりと離れるくらいになったら火を止め、手羽先を取り出す。冷めたら身をほぐしておくが、皮と骨は捨ててしまった。
冷蔵庫にある野菜を全部、今回はニンジン、セロリ、フェンネル、玉ねぎ、ニンニクをたっぷりのオリーブオイルで炒めてシンナリしたら、スープ鍋に移す。そして、ズッキーニ、トマト、キャベツ、ほぐした鶏肉と庭からむしったタイム、ベイリーフ1枚を加えてことことと弱火で煮た。
イタリアンのスープは、硬い野菜はオリーブオイルで炒めてからスープに加える…とスイス時代にイタリア人のオバサンから習った。ミネストローネもそうだ。そして、主菜のスープにはパスタがはいることが多い。スパゲッティーはスープには入れない。小さめのもの、マカロニやファルファーレや、もっと小さなリゾーリなどがいい。
今日も今日とて、スープだけじゃあお腹がイッパイにならないかなあと思い、別の鍋ではカヴァタッピを茹でた。ワインの栓抜き(コルクスクリュー)の意味だが、その名の通りネジのようにぐるぐる巻きのパスタだ。茹で上がったら水を切ってスープ皿に入れて上からスープをかけた。イタリアンパセリとパルミジャーノを少々散らしてみる。
パスタを入れて煮なかったのは、あとで冷凍したいからだ。パスタは冷凍すると水分を吸って柔らかくなってしまうので。
野菜がたっぷり入ったチキンスープは、優しい味でほっとする。体が温まるのがわかる。ふうふうとしながらすすっていたら、行儀の悪い猫のあいちゃんがカウンターにとん、と飛び乗る。食べ物は決してねだらない子だが、「飲んだら遊ぼうね」と言いたげにじっとわたしの顔を見ている。