バンコクから着いたのが日曜日、そして月曜日の朝にはもう教壇に立っているという、まるでジェットセットのビジネスマンのような三日間だった。
おかげであまり疲れがとれていないのだが、それにもまして非常にわたしの寝つきを損ねているのは、引っ越したばかりのこのウチの「静けさ」だ。初めて「パースのど真ん中」から「少々はずれた場所」に引っ越したのだが、いやはや静か過ぎる。ベッドにはいる時間は、もう「しん」なんてものじゃない。まったくの無音、一体わたしの耳は大丈夫なのか、と思うくらいなのだ。だから、外で葉が「こそ」というだけで、眼が覚める。忍び足のゆきちゃんが寝室にはいってくるだけでも、気配でまた眼が覚める。
大体、夜7時を過ぎたらもうこんなぐあいである。車の音さえしない。たまに、近くの電車駅に着く電車の音がかすかにするだけだ。
どんな田舎に引っ越してしまったのか、と思うひともいるだろうが、ここは前に住んでいた「ど真ん中」から車で10分もかかからない。
写真は、バンコク行き飛行機から見たパースの街。
わたしの家は、写真右上、途中で切れてしまっているため「中ノ島」のように見えるスワン川対岸から、さらに2cmほど右に行ったあたりにある。