がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

父親の命を救う少年

夕食のときに見ていたニュースショーで感激し、玄米ご飯を喉につまらせてしまった。
12歳の少年が39歳の父親の命を救ったのだ。

元々心臓に持病のある男性がいきなり裏庭で倒れたとき、側には老いた姑と自分の息子しかいなかった。顔は紫色になり、息をしている様子もない。驚いた姑が救急に電話をしたときの声が流れたが、理性を失い何を言っているのかわからない。「ただ救急車を呼んで。息をしてないんだから。」と訴える。これでは緊急処置も何もできるどころではない。

オペレーターが「他にひとはいませんか」と聞いたあと、次に電話口に出たのは12歳の息子だった。
父親の様子について聞かれると、詳細にその状態を説明する。「人工呼吸はやったことある?」の声に、「ありません。でもやってみます。」とはっきりとした答え。
そして、電話の指令通りに息を吐き入れ、胸を押すという動作を繰り返す。その動きは冷静に救急車が来るまで続けられた。
結局、少年の人工呼吸によって父親の命はとりとめられたのだ。救急車が来るまで放置されていたら、助かる見込みはなかったと言う。
インタビュウに「とても怖かった。怖くて怖くてたまらなかった。でも、ボクがやらなきゃパパは死んじゃうんだ。だめだ、だめだ、やれっ、やれって、って思った。」幼い顔に父を救ったという誇りを浮かべて、少年は語った。

「子供はね、子供扱いしていると、子供っぽくふるまうんだ。一人前のオトナ扱いをすると、不思議と何でもできるんでビックリするよ。」
友達がふともらした言葉を思い出した。
ラッセル・クロウ主演の最新ビデオをで、ナポレオン時代当時の幼い海軍仕官たち(12歳から15歳くらいか)が、立派に陣頭指揮をとって冷静に判断を下すのに感心していたときだ。時代は違えど、「子供扱いをされなかったとき」の子供の態度は同じなのかもしれない。

最後に、元気に病院から退院する父親の姿とその周りを子犬のように飛び回る少年が映し出された。先ほどの落ち着いて当時の模様を話す姿とは大違いだ。
なんか子供って不思議だなあ。

 

2 COMMENTS

entee

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お久しぶりです。この少年の話、実に勉強になります。自分も感動しました。
主旨は、子供をオトナ扱いすれば、大人になる、ということだと思いますが、それって、当のオトナたち(自分を含む)にも当てはまることですよね。自分は、周囲をオトナ扱いしているのか、自分は周囲にオトナ扱いされているのか、もう一度点検してみます。

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