がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

レッドスナッパーの塩釜

木曜日から扁桃腺を腫らして、また39度の熱が出た。ウンウンとうなって寝たのは、運よく二日だけ。昨日はまだ少々熱もあったが、何にもない冷蔵庫を満たすために慌しく買い物にも行ってきた。今日からはもうフツウの生活をしている。普段なら1週間ほど休んでしまうのだが、今回は軽かった。

喉の腫れが引いたら、そりゃあきちんと食べたいでしょう。何しろ、木曜日から流動食だったんだから。

昨日買い物に行ったとき仕入れてきたのは、なんと大きなレッドスナッパー1尾丸ごと。切り身にしているものもあったが、新鮮で色鮮やかなこの魚を見たら買わずにはいられない。残ったって、色々活用できるしね。鱗と内臓を取ってもらったけれど、それでも八百グラムあった。

で、こういうもので何を作るかというと、塩釜だ。以前友達から教わっておいたのに、なかなか作る機会がなかったのだ。

まず岩塩、英語でいうところのRock Saltだ。これを二キロ。ボウルにざざっとあけ、レモンの皮をがりがりと二個分けずって加える。ここに水をカップ1杯ぐらい入れたら、ざくざくと混ぜ合わせる。半分ほどをオーブン皿に敷き、スナッパーを置いて、残った塩をまんべんなくかぶせる。ぎゅぎゅぎゅううと抑えてこんで、塩を固く固く締め付けてやる。まだボウルに塩水が残っていたら、もったいないからたらりとかけてしまう。これだけだ。

後は、二百度に温めておいたオーブンで四十五分から一時間ぐらい。焦げ目が全体についたところで、火を止める。五分ほど寝かせてやって、さあお楽しみはこれからだ。
包丁の柄か、でかいスプーンなどをつかってコンコンと叩いてやれば、塩釜がぽろりぽろりと剥がれる。ほろほろとこぼれた塩は、調理用のブラシを使ってささっと払ってやる。魚を別の皿に盛って櫛形に切ったレモンをたくさん添えたら、「よーいドン」で箸が四方から寄せてくる。

スナッパーは鯛の一種だ。蒸されて塩を吸った肉はしっかりとした舌触りで、ほのかな甘さと風味が口の中に広がる。ああ、美味しい。喉の腫れが引いて「開通」したお祝いですな、これは。

3 COMMENTS

MAO

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祝! がびさん復活。
この塩釜焼きは是非やってみたいが、材料よりも塩の値段の方が掛かりそうだ。
オーストラリアは塩は安いの?

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gaby

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お久しぶりですー。
塩釜は読んでいただいたように、びっくりするくらい簡単でしょう?こちらでは、塩ってかなり「買う場所」によって値段が違います。「地中海のドーダラ」とか、「タスマニア湾のコーダラ」とかいうと高くなりますが、そこらのスーパーで買ったら1キロ百円もしません。

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MAO

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1キロ百円は安いな!
ところで豪州ドルはかなり安くなりましたね。
今日は、1豪州ドル=57円かな。
ぼくが三十年前、パースに行った頃は、240円でした。
Tシャツをお土産に買うのが精一杯だったな。

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