いきなり冷え込んできたパースは、今朝七度。昼も二十度までしか気温が上がらず、吹き抜けの廊下に面している日本語の教室は寒いったらありゃしない。
これで雨が降り出したら、本格的な冬となってストーブが離せなくなる。
久しぶりに、体を温めるものが食べたくなるのもこんな季節だ。
だから、あっちこっちに半端に余っている野菜を使って、今日はイタリア風シチュウと洒落こんでみた。
ナスだけは、塩をふってちょっと布巾をかけてしんなりさせる。その間に、大鍋にオリーブオイルをたっぷり入れて、荒く切った玉ねぎを飴色になるまで炒める。そしてナスと刻んだニンニクを加えて、また少し。
上から、ざんぶと野菜スープストック(スープの素と水でもかまわないけど)をそそぐ。もうここからは切った順に放り込むだけだ。荒っぽいが、シチュウなんてこんなもんだ。
トマトは沸騰した湯に放り込んで30数え、取り出したら冷水にとって皮をむき、荒く切って、鍋にほうりこむ。
赤ピーマン、ズッキーニを切ったら次々にどぼんどぼんと加え、さらにフェンネルシードをつぶしてから入れて、塩コショウしてヒトかき回し。
このフェンネルシードが、くせものだ。野菜スープでもこれを入れると、平凡な味に深みが増す。煮立ったら、火を弱めて三十分ほどことことと煮る。
なんか物足りないなあ、と思ったら、冷蔵庫のスミにあった挽肉を思い出した。これだよ、コレ。塩コショウしておろし玉ねぎを加え、ちょいとこねてからくりくりと丸めるだけ。フライパンで焦げ目をつけてころがしてから、これまた鍋にどぼん、どぼん。
ついでに豆も入れちゃおう。貯蔵室には、ひよこ豆もキドニービーンズもある。これも、そのまま放り込む。
実は、今日はこのシチュウをパスタで食べたかったのだ。ファルファーレというリボン形のパスタだが、八色で八種の味。ニンジンやら、カボチャやら、イカ墨やらの味がついていて、何ともカラフルだ。
そのパスタの上にたっぶりのイタリア風シチュウ(煮込み)には、やはりグラモラータが欲しい。ニンニク、レモンの皮、イタリアンパセリを刻んで、上からハラハラとふりかける。
こういうのはノンナ風(おばあちゃん風)のイタリアンシチュウと言うらしいが、自己流材料では、どうも「がびばーちゃん風」にしかならないね。