前庭にあるザクロの木は実が鈴なりだ。
ふと気がついたら、もう実が熟して固い皮が開いてしまったものもある。こりゃ、大変だ。
ザクロは固い皮をかち割ると、中にはルビー色の粒がたくさんつまっている。ちょいと甘ずっぱくて、そのまま食べることもできる。保存用にも色々レシピはあるが、とりあえず今晩はサラダにしようということに。
ザクロの果肉のひとつひとつの大きさは、ちょうど大豆粒ぐらい。その大きさと同じイスラエルのクスクス「モグラビア」(Moghrabia)を使う温かいサラダだ。普通のクスクスは、ヒエやアワなどの雑穀ほどの大きさだが、このイスラエル産クスクスは大きい。どちらかというとパスタのような感じだ。
まず湯をグラグラと沸かし、乾燥モグラビアをざっといれて火を弱め、蓋をして十分ぐらい。水を切ってざっとゆすいでから大きなボウルにいれ、オリーブオイル、レモン汁、おろしたニンニクを混ぜ合わせ、塩コショウで味を調える。あとはミントの葉、香菜をきざんで混ぜるだけ。
モグラビアを茹でている間に、今度はザターを作る。これは中近東風スパイスなのだけれど、スーマックというパプリカのようなウルシの粉、塩、ゴマ、タイムの葉を混ぜ合わせたものだ。全部ハーブすり鉢にほうりこんで、どかんどかんとつぶす。これを振りかけてラム肉のステーキをグリル。
サラダの上に肉をちょんと置いて、ちょいとバルサミコ酢をたらしたザクロの果肉をぱらぱらと散らして、出来上がり。
甘酸っぱいザクロの歯ごたえとエキゾチックな香辛料を楽しめる、見た目も美しい一品になった。