がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

ネクタリンとスパイシーサラミのサラダ

早く涼しくならないかなあ、とブツクサ言いながら毎日を過ごしている。
日本なら、九月の残暑というところか。三十五度を超える日々が続いていて、働くのも机に向かうのもつらい。

幸いなことに、この季節は果物が美味しい。みずみずしい葡萄は種をぷうと吹き飛ばしながら食べるのも楽しいし、大きな桃は皮付きのまま柔らかい果肉にがぶりとかぶりつく。プラムもネクタリンも豊富だ。
だから、学校に行くときには、いつも果物を何かしらカバンに入れて持っていく。おやつ代わりだ。

そんな季節のネクタリンを使ったサラダが、今日の晩ゴハン。
一度どこかの料理番組で見かけて以来、季節の果物とサラダの組み合わせが思いのほか美味しいと知ったからだ。ピーチに生ハム、柔らかい鶏肉にマンゴ、イチゴとミントにスモークサーモンをあわせたこともある。

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今日のネクタリンは、鮮やかな黄色の果肉を持つ西オーストラリア産のもの。これを皮付きのまま八等分し、ベビーアジアンと呼ばれるサラダミックスを広げた上に次々と乗せる。ランチの残りのハンガリアンサラミは、パプリカが効いているスパイシーなもの。これもちぎって乗せる。サラミの塩分があるから、塩を軽くぱらぱら。コショウもぱらぱら。上からバージンオリーブオイルをふりかけ、バルサミコ酢を加えたら、もう出来上がりだ。

バルサミコ酢は、出来ればつんとこないまろやかな年代ものを。多少値ははるが、直接食べるものだからこそいいものを使いたい。これならバージンオリーブオイルとともに小さな小皿に出し、そこにパンを浸して食べてもいい。バター代わりによくイタリア料理店で出す「付きだし」だ。

こんなふうにドレッシングをあらかじめ混ぜ合わせないで直接かけるのは、イタリア式のサラダだ。すき焼きで、割り下を使う地域があるのと直接調味料を鍋に入れる地域があるのと同じようなものかもしれない。

 

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