がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

女学校のセンセイに

今年前半は、以前の同僚がお母様の介護休暇をとったため、その代理で思いがけなくもまた元の学校に戻っていた。

しかしそれも7月までのこと、さてこれからどうなるやらと気を揉んでいたら打診のメールが入った。私立学校に移ったフランス語教師からだ。彼女の学校で、8月から日本語教師のポストがあると言う。打診は新聞に求人広告が載る前のこと、さっそく履歴書を送ったら、すぐ面接、そして面接の後2時間後にはすでに採用の電話が入った。
何てすばやい対応だ。

その間にも、新聞の募集広告に対して30人ほどの履歴書が送られていたらしい。最終的に面接に呼ばれたのは、わたしを含めて2人だけだった。

そんなわけで、8月から私立お嬢様学校の日本語教師だ。
公立高校とはかなり違い、一ヶ月たった今でもまだとまどうことが多い。
まず、当たり前だが女の子しかいない。休み時間とランチタイムの騒音がキャアキャアと1オクターブ高い。声変わり後の「テスタストロンの雄叫び」がないからだ。スカートをまくって椅子の上に膝を立てようが、ブラウスを持ち上げて背中を掻こうが、そんなハシタナイ行為に鼻の下をのばす異性がいない。男性教師も何人かいるが、鼻の下をのばしたらもちろん手がウシロに回るような犯罪の疑いをかけられてしまうので、黙って無視している。

そりゃあスコットランド系の学校だから、制服はとても可愛い。ラフなポロシャツだけが制服の公立と違い、紺のブレザーに校章のワッペン、白のシャツに紺のネクタイ、そして紺と緑のタータンチェックのスカート。靴はクラシックな黒のひも付き革靴だ。正式の場や、登下校にはベレー帽もかぶらなければならない。

そして、私立学校だけあって生徒とその親にはキメ細かい対応をする。そのおかげで「教える」ということだけではなく様々な雑用がとんでもなく多くなった。1週間に最低2回はなんらかのミーティングがある。三時二十分まで授業があるから、それら「雑用」は当然のことながら放課後になってしまう。
そしてその後に、次の日の授業の準備だ。
おかげで、毎日帰宅するのが夜7時前後となり、猫のゆきちゃんはバンゴハンが遅くなって不満気だ。

もう少し慣れたら余裕も出てくるのだろうが、今のところはこんな感じの生活である。

 

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つた

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写真撮って送って下さい。>スカートをまくって椅子の上に膝を立てようが、ブラウスを持ち上げて背中を掻こうが

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