がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

どんどん失敗しよう

このところ、こちらバンコクのコンピュータまで調子が悪いので、オフィスの英語コンピュータを使っている。Windows2000だから日本語が使えるようにできるのだが、めんどくさくて操作を怠っているので、かろうじてネット上で読めるだけだ。
そんな環境でこれから日本に行くので、ラプトップなんかを衝動買いしそうな気もする。

————————————————–
今朝の新聞を読んでいたら、ボニー・ハントという女優さんの話が載っていた。
日 本ではあまり知られていないかもしれないが、ブロンドのふっくらした女性で、ロビン・ウィリアムスと「ジュマンジ」で共演したこともある。最近では、監督 業にも手を出しているらしい。若いとき初めて映画「レインマン」でウェイトレス役を射止めたときには、まだ看護婦が本業だった。そして、そのウェイトレス 役のあとにも、またシカゴの病院の癌病棟に戻り患者の世話をしていたという。
まだ女優業に本格的に取り組むには、自信がなかったのだろう。「ロスに行ったって、失敗するのが目に見えているし、わたしには看護婦が似合っているのかも」と患者さんにもらした。患者は咽喉癌で入院中、ため息をつく彼女にこう言った。

「失 敗ですって? いいじゃない、行って失敗してらっしゃい。好きなだけ失敗しなさい。一生失敗したっていいじゃない。わたしは、もうすぐ死ぬのよ。もっとい ろんなことを試して失敗できる時間があったらいいなって本当に思うわ。だから行きなさい。失敗する失敗するって、試してもみずにただ恐れながら長い人生を 送るなんて、バカバカしいわ。」
ボニー・ハントは看護婦をやめ、ロスに出てきて女優となった。

わたしが本格的に人生の方向転換を 考えたのは、一生家族のために働いて定年になり、大学の公開講座に通うのが楽しみだった父の余生が癌に奪われたときである。そのとき会社を共同経営する 「ビジネスコンサルタント」だった肩書きは、3年後に「高校教師」に変わっている。もう待つのはよそう、と思ったからだ。
今もバンコクの仕事には細々とかかわるが、収入はガクンと減り、そして気分だけはずっと楽になった。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です