がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

「免税品」の中の「非売品」

タイ人は、子供が大好きだ。
だから、バンコクのレストランで、客の子供をあやしたり抱き上げたりするウェイトレスをよく見るが、飛行機の中では初めてだった。

「免税品はいかがですか?」は、食事が終わったころにやってくるワゴンサービスだ。酒、煙草、香水など一通りの品物はそろっているから、買い忘れたものがあるときなどに便利である。
今日はそんなワゴンが通路をやってきたとき、回りから笑い声が上がったのでふと顔を上げると、ワゴンの上に6ヶ月くらいの赤ん坊がちょこんと乗せられているえではないか。青い目にふわふわの金髪、ベビー服を着て、勇ましくワゴンの「船」を操縦しているといったふうである。
免税品販売の搭乗員が、前方の席にいた子をあやしながら連れてきてしまったらしい。人見知りをするでもなくおとなしく座っているものだから、よけいひとびとの笑いを誘っていた。

「このてっぺんにいるのは売り物ではございません。借り物でございます。でもワゴンにある他のものは全て売り物、しかも免税です。」タイ人搭乗員もすましたものだ。

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いくら乾期で涼しいとはいえ、午前中29度まで上がるバンコクからいきなり3度の成田に着いたら、顔の皮膚がばりばりと音を立てそうである。
当たり前ながら、寒いなあ。

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