ちょっと用事があって、もう二年ほど行っていなかったチャオプラヤ川近辺、というより王宮の近くを散策する機会があった。
この辺は、かなり整備されたスクムビット界隈と違い、まだ混沌とした狭い通りが縦横に走っている。トゥクトゥクもたくさん走っているし(スクムビットあたりだと、すでにメータータクシーばかりだ)、オレンジ色の法衣を着た僧たちと軽装の外人観光客と近くのタマサート大学の学生たちの混雑がすごい。女性に触れてはいけない小乗仏教の僧たちがゴマンといるものだから、一応女性であるわたしはいちいち避けなければならず、ずいぶんと気を使ってしまう。
で、いきなり目の前に現れたのが、この「入れ歯の露店」だ。
ガラスの割れた粗末なケースには、様々なサイズの歯が放りこまれていて、ちょいと不気味。ペンチやら金槌やら、ぶっそうな道具も並んでいる。
店のあんちゃんは、隣に座ったおじいさんの入れ歯の修理中だ。おじいさんは入れ歯を出しちゃったものだから、口の周りをへこませたままモグモグと動かしている。あんちゃんは、どうやらその入れ歯の合わせをしているらしい。紙やすりで入れ歯をごしごし、がりがり。ためつすがめつしてから、タオルで一応さらっと拭いておじいさんに渡す。口に入れて、もぐもぐ。首をかしげるおじいさんからまた入れ歯を受け取って、ごしごし、がりがり。それが何回も繰り返される。
あまりの光景に感心して、写真を取るのも忘れて見とれてしまった。
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きょっ強烈!!
まるで安物アクセサリーみたいに並んでますね。
うちのお婆ちゃんも、昔、入れ歯を取り出しては小刀で削ったりして、挙げ句に「合わん!」と言って歯科で作り直してもらってたなぁ。
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入れ歯もアクセサリーの一部ですねえ、実際。ひとつひとつの差し歯もありましたから、抜けたところを気軽に埋めてもらうんじゃないでしょうか。
しかし、入れ歯を小刀で削るお婆ちゃんもすごいですね。(笑)