オーストラリアが誇る「鶏肉の照り焼き巻」

「ええっ、なんで鶏肉が海苔巻の具になるの?」などとビックリするなかれ。カリフォルニアじゃあ、すでにアボカドだって巻いちゃっているのだ。

先ほど寄ったスーパーの隣にある「海苔巻き屋」に売れ残りの鶏肉巻きがあったので、取りあえず日本の皆様にお見せしようと買ってみた。

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鶏肉は形がマチマチだし、横に見える緑色はアボカドだ。海苔巻の風上にもおけない不格好な巻き方なのは、何しろ握っているニンゲンたちが「一度も日本など行ったことのない」オーストラリア人なのだから仕方がない。

こういうものが売り物になるコト自体、日本人にとっては不思議なのだが、値段を聞いてもう一度ビックリするなかれ、日本円にして約七百円ほど。大して材料も使っていないし、輸入物と言えば海苔ぐらいだ。それでも、物価の高いパースではこれが飛ぶように売れる。「SUSHI」と言ったらこの巻き寿司のことで、握り寿司のようなあまり馴染みのない和食は知らないひとのほうがはるかに多い。

かくして「テリヤキチキンロール」と「テリヤキチキンドンブーリ」と「チキンカラーアーゲ」が和食の代名詞となってしまった。一世代前の日本人がイタ飯と言ったら「スパゲッティー」と言うのと同じくらいの知名度だ。
まるで和食にはチキン以外ないほどの勢いである。

最近は、それでもナマのマグロだの鮭だのが魚屋では買えるようになったが、マグロはいまだに赤身しか売っていない。それも変なステーキ型に切ってあるものだから、家で刺身に切るときには大変苦労する。ちなみに近くの丸顔中国人の魚屋では、そのマグロの赤身が100グラム500円ほどする。トロはレストランに直行とみえて見たこともない。

東海岸はもしかしたらもっとマトモな和食が手軽に食べられるのかもしれないが、「ギネスブックに載るほど世界で一番他都市から離れている州都パース」では、サンドイッチ代わりに食べる寿司といったら「鶏肉の照り焼き巻」が一般的なのである。

そりゃもちろん、日本人のシェフ(または板前さん)のいる本格的和食レストランもあるが、数はそれほど多くないし材料の限界もある。そして、美味しいがかなり高価な晩ゴハンとなる。

だから「ワタシは和食がダイスキです」というパース住民に、刺身のお造りだのしゃぶしゃぶだの肉じゃがだの天ぷらだのを期待してはいけない。必ずや「一番好きなのはチキンテリヤーキ」という答えが返ってくるだろうから。

 

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