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成人式の日に雪が降る

朝早く起きたときにはまだ雨だった。しばらくして母とお茶を飲んでいたら、外が「明るくなっている」。気づいて窓を開けたら、辺りは白くなり始めていた。雪だ。
14日はこんなふうに始まり、どんどんと積もる雪にあれよあれよと何度も窓を開けてしまった。

14012013_1 母の代わりにどうしても郵便ポストまで行かねばならず、長靴を履いて外に出たらすでにかなり足が雪にめり込むほど降っていた。鼻が痛くなるほど寒い。こんなに降ったのはもうずいぶん前だなあと懐かしくなった。

子供のときに学校が休校になるほど降ったことがある。辺り一面真っ白になった近所で友達と雪だるまを作ったり、当時飼っていたコロという犬と遊んだ。小さな犬だったので、嬉しそうに外に飛び出して新雪に完全に首までつかってしまい、皆で大笑いをしたのを思い出す。

今回はそれほどではないが、長靴の足を覆うほどだ。傘をさしていても目に雪が入り、背を曲げて膝を曲げて、ゆっくりと雪を踏みしめながら歩く。前から来た年配の男性と小さな男の子と目が合った。通りすがりに「すごい雪で大変ですね。気をつけてくださいね」と優しく声をかけられた。男の子が「僕は大丈夫だよ」と胸をはる。

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大通りに近づくと、今度は前方から華やかな振袖姿の若い女性が足元もおぼつかなく歩いてくる。「おきれいですね!この先もっと雪が多いですから気をつけてくださいね」と声をかけたら、「ありがとうございます」とニッコリと花が咲いたようなほほ笑み。真っ白な雪の中で、写真に撮りたいくらいの美しい姿だった。一生に一度の成人式にこの大雪では大変だろうが、その後何年も何十年も「そういえばわたしの成人式は大雪だったよ」と思い出すことだろうね。

郵便ポストついでに、どんぶり屋に寄り海鮮丼をふたつ。店の引き戸を開けたら「あらまあ、よくいらっしゃいましたね」とビックリされた。たぶんこんな日に来る客なんぞいなかったのだろう。奥のご主人が「寒いから、鮭入り味噌汁をお持ちくださいね。お代は入りませんよ」と言う。味噌汁を自分でよそっていると、今度は「ヒマだから試作品を作ってたんですよ。炙ったマグロに塩ダレなんですけど、入れときますから試してくださいね」と包みがもうひとつ。

どんぶり屋から出ると、しんしんと降る雪が普段の騒音を飲みこんで、昼間だというのにとても静かだ。こんな日の外出は、通りすがりの見知らぬひとたちをほんの少し近づかせる。普段は目を合わせないように行き交うひとたちが、同じ境遇を確かめ合うようになぜか温かい言葉をかけたくなる。

 

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