日本のスーパーのように小魚以外は皆切り身で売っているわけではない。パースでは、大きな魚も丸ごと細かく真っ白な氷の上に並べられている。そして、買っ たときに頼めば、その場で内臓を抜き鱗を取って調理しやすくしてくれる。日本にいると、元の魚が本当はどのくらいの大きさでどんな顔をしているのかちっと もわからないが、ここでは魚屋に行けば切り身コーナーと丸ごと魚のコーナーがあるので一目瞭然だ。
そう言えば、いつも欲しい欲しいと思い ながら、つい今まで買ったことがないのが、中国料理によく使う巨大な蒸篭である。中華なべの上で大きな魚も丸ごと蒸せる。これがないために、わたしの魚料 理はもっぱらオーブンを使って、アルミホイルにくるんだ魚を蒸すことになる。今日の魚はどんな味付けにも合う白身のスナッパーなので、レモン、根つき香 菜、タマネギをお腹につめてから周りにも散らし、酒とレモン汁を豪勢にふりかけてオーブンで30分。これにしょうゆとごま油をかけたら、もうご飯の進むこ と進むこと。切り身魚は便利で食べやすいのだが、蒸魚にはやはり丸のままがウマイ。