がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

アジのイタリアングリルとスパゲッティ・アレ・ヴォンゴレ

土曜日はもちろんショッピングの日。いや、指輪や洋服や靴を買うわけではなく、冷蔵庫用のモノの買い出しだ。

近所のショッピングセンターの魚屋から丸顔のオジサンが手を振っている。で、手を振り返したら手のひらの振り方が変わって「来い来い」になった。
近づいてみたら、まあなんと「大漁」じゃないか。新鮮な貝殻つきの帆立貝とアサリ。その向かいにはバラマンディー(スズキの一種)の目がキラキラと輝いている。氷を敷き詰めたところには小さめのアジとフリーマントル港に上げられたスルメイカが。
この魚屋は生の新鮮な魚は西オーストラリアで捕れたものが多く、そのほかの魚もオーストラリア産しか扱っていない。冷凍モノは海外からのものもあるが、そのほとんどはオーストラリア産だ。市内のレストランにも卸していて、店主のオジサンは、春節にはドラゴンの中に入って中華レストランを踊りながら回る有名人でもある。ここのシーフード以上のシーフードを売っている店はないくらいで、いつも客で賑わっているのはそのクオリティーのせいだと思う。

目移りがしそうなほど新鮮なモノが多く、取りあえず今日はアサリとアジにした。ほんとは和食でも作ろうかと思ったのだが、こんなものを見たら買う以外なし。今日は、アジのイタリアングリルとスパゲッティ・アレ・ヴォンゴレに決定。

イヤに安いとは思ったが、アジはウロコ取りがしていない。包丁を使ってばりばりとウロコを剥がし、腹にナイフを入れて内臓を取り出しきれいに洗う。オリーブオイル、レモン汁、パプリカ、塩コショウでマリネし、30分ほど置く。

あとは外のバーベキューグリルでじゅうじゅうと焼く。焼いている間は冷えた白ワイン、西オーストラリアのリースリングを飲みながら。焼けたら、レモン汁をまた絞って焼き立てを食べる。うーん、美味い。

お次はスパゲッティーだ。

アサリは30分ほど塩を吐かせてから、ザルの中で待機。ニンニク、パセリの「茎」(このほうが香りが強い)、皮を剥いたトマトのざく切り、チリフレーク、たっぷりのオリーブオイルを強火で炒める。

そして、砂抜きをしたアサリを入れ、250mlのワインをざぶんとかけ、蓋をする。ごめんね…。
貝が開いたら、同時に茹で上がるようにしたスパゲッティを水を切って入れ、ざっと混ぜ合わせる。アサリは塩水で砂抜きをしているので、塩はできあがったスープの味を見てから。

スープが沢山出たので、皿は平たいものではなく深皿を使った。ついでに、朝買っておいたバゲットもちぎっておく。スープに浸して食べたいので。

非常にシンプルな料理で、めんどくさいのは包丁を使うことだけだ。それでも素材が新鮮だと舌鼓を打つほかはない。皿のスープも全部パンで拭き取るぐらい堪能して、今日の晩ゴハンは大成功。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です