何もない日曜日の昼過ぎ、少しは外に出ようと友達と約束して大きなショッピングセンターの映画館へ。観たのは「PAN ~ネバーランド、夢のはじまり~」。
チケットを買って中に入ってみたら。。。やっぱり子供だらけだった。そりゃそうだよね。日曜日の午後だもの。本編前の映画予告も全部子供アニメばかりだし。
さて映画そのものだが、これはもう悲しいことに駄作と言うほかはない。
ピーターパンがピーターパンになる前の話ということで、宿敵フック船長はまだ友達だし、ピーターも飛べない。そのピーターが悪役の海賊の親玉である黒ひげヒュー・ジャックマンと対決、母を探しながら飛べるようになるというお話。
CG のシーンは夢のようだがどうにも目が回りそうなほど長いし、その他の時間は進み方がのろくて飽きる。CGがいかにハラハラドキドキの夢の世界を見せてくれても、途中でアクビが出るくらいの脚本では観客の興味を繋ぐことはできない、というよい例かもしれない。大体このテの「男の子が様々な困難をくぐり抜けて自分を見つける」という話はどれだけ映画界で繰り返されたことだろう。それでも、良作がいくつかあるのは脚本の素晴らしさのせいなのだと思う。
ヒュー・ ジャックマンはあまりの凝った変装のせいでヒュー・ジャックマンに見えないし、それはそれで素晴らしい悪役にはなっているが、だからと言って心に残るほど の存在感をもたらしているとも思えない。大体彼が最初に登場したときの、あの囚人たちの大声のコーラスはなんだ。全く意味不明。
もっとかわいそうなのは、若き日のハリソン・フォードを彷彿とさせるギャレット・ヘドランドだ。コメディーも中途半端、アクションも中途半端、いくら脇役でももう 少し役作りをさせてやってほしい。これまた存在感が希薄だ。唯一光っていたのは、表情が豊かなピーター役のリーヴァイ・ミラーぐらいか。
一 応原作に書かれているワニや「大量の」ティンカーベルなども登場するが、最後まで見てもなんでフック船長がその後ピーターの宿敵になるのかさっぱりわからない。シリーズ化する意図がミエミエだが、英語圏ではかなり辛い批評がほとんどのこの映画に、果たして2作目のオファーがでるのかどうか。
でも、予告編は確かにワクワクするほどおもしろいよ。だから、観に行ったんだけどさ。