がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

はじめまして、ゆきちゃんです

もらってきてから数ヶ月の間は大変おとなしく、車に乗せた時以外は全く鳴かない猫だった。

ところが、このごろわたしと家に馴れてきたのか、ご飯が欲しいと いっては「ふぃ~んふぃ~ん」と呼びかけ、退屈だといっては「ふぇ~んふぇ~ん」と鳴く。足にまとわりつき、身体をすりつけ、デスクに飛び乗ってマウスと わたしの指にじゃれる。
ちょっとでも寝坊すると、胸に飛び乗り、息が感じられるほど近くからわたしの顔を覗き込んでごろごろと喉を鳴らす。これでは、息苦しくてうるさくて、寝ていられるわけがない。

10 週間に一度タイに戻るが、その時は有料キャットホテルにあずかってもらう。猫愛好家団体の経営する場所なので、まるで「保育園」のような雰囲気、初めて 行ったときにはかなりとまどった。ボランティアの「保母さん・保父さん」が事細かく食事や習慣についてメモし、「はい、じゃあお母さんにバイバイしましょ うね~。1週間だもん、がまんできるよね~。」などと猫とおしゃべりしながら奥に消えていくのだから。
そんなキメ細やかな世話にもかかわらず、毎度少し痩せ、帰ってくるとがつがつと食べ始め、そしてその晩は下痢をする。下半身長毛種の白猫が下痢をしたらどういう状態になるのかは、ご想像におまかせするが、いやがる彼女を洗うわたしの手はもちろん傷だらけだ。
ため息をサンザついたあと、わたしの静かな夜は、やっと落ち着いた彼女をゆっくりゆっくりと愛撫しながら、更けていく。愛撫するものもされるものも、顔に満足気な笑みを浮かべながら。

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