がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

ポークステーキ、イチゴのバルサミコソース

もちろん毎日料理していたんだけれど、「手早く作ってすぐ食べる」を信条としているし、そのふたつの作業の間に「写真を撮る」という追加作業なんて入れているヒマもなかった。

ところが、ハタと気がついた。忘れるのだ。

「こないだ作ったアレ、また食べさせてよう」と友達に言われて、えーそんなの作ったっけ、と首をかしげる。
「ねえ、前にナントカのソレソレをちょっと工夫したら、もっと美味しかったって言ってたじゃない。どうやって作ったの?」と聞かれて、忘れちゃったなあ、なんだったっけ、と天を仰ぐ。

理由はほかにもあるのだけれど、それはまたの機会にして、今日は数日前に買ったまま忘れていたイチゴを使ってみた。
こちらオーストラリアは、ご存じのとおり季節が反対、つまり初夏にはいったところだ。これからどんどん暑くなるが、それでもまだイチゴが買える。もう最後かな、と思いながら土曜日に買ったやつだ。ところがメロンも美味しくて、そちらを食べ続けていたら、水曜日になってしまった。

どうしても使うっ、と決めたら何かできるはずだ。
果物を肉のソースに使うときには、味をひきたててマイルドにするために、バルサミコ酢を使うことが多い。これだね。

まず「こちらの常で、やはりデカイ」イチゴを4つ割にして、バルサミコ酢を浅い皿でひたひたするぐらいに注ぐ。砂糖をばさりとかけてグルリと混ぜ合わせ、十五分ぐらい。その間に、ザルを片手に庭に出る。一週間ほど前から、大きな植木鉢で様々なベビーリーフサラダを育てているのだ。ちぎればちぎるほどまた新しい芽が出るので、かなり重宝している。
ちょいとぴりりと辛い水菜も、赤いのと緑のと両方あるし。

豚肉は塩コショウしてから、少々のオリーブオイルでささっと焼く。同じフライパンにチキンストック(チキンコンソメだけれど、わたしは減塩のものを使う)をざばと入れ、煮立ったらさきほどのイチゴのバルサミコ酢を加えて、煮詰める。とろりとなったら出来上がりだ。

こんなふうに甘酸っぱいソースで食べると、塩コショウだけの薄いステーキも全く匂いが気にならない。

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