がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

かわいそうな動物

仔牛肉というものは、普通ミルク以外「まだ」飲んだことのない牛の肉を指す。特にヨーロッパではそうだ。だから、店で売られている生肉を見ても、マッカッカの牛肉と比べると色も薄いピンク色、そしてとても柔らかい。
と ころが豪州では、書かれている名前をチェックしないかぎり普通の牛肉と見分けがつかない。色もほとんど同じだし、「ほんのちょっと柔らかいかもしれないな あ」くらいの違いしかない。本当のところはわからないが、これは豪州での動物保護運動が過激なこともあり、ミルクしか飲んだことのないまだほんの子供を 「殺す」なんて人道上もってのほかだから、と友達は言う。なんだかそれって動物保護の本質からずれているような気もするが、それで食べるひとたちの気持ち が落ち着くならよしとするべきか。イルカは「可愛い」から殺すなんて残酷よっ、というひとが「可愛い」自分ちの犬のために豪州産「可愛い」カンガルーの肉 のドッグフード缶を開けている光景が目に浮かぶ。

別にそういうことを考えたからではないが、今日は豪州産「エセ仔牛肉」を解凍してさっと 焼いた。週末に沢山買いこんだ野菜の始末のために、その上にかけるトマトソースを作ったからだ。ズッキーニ、フェンネル、タマネギを煮込んでラタトゥイユ 風。外に置いて熟したトマトもイタリアンパセリもふんだんに使った。余ったソースは冷凍しておいて、時間のないときのパスタソースにもできる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です