十六日に寒い東京から暑いバンコクに戻り、二十二日にその暑いバンコクからさらに暑い三十六度のパースに戻り、さらに二十四日からは十二度のアルバニーに来ている。あまりの環境の変化に、体温の調節までおかしくなりそうだ。
アルバニーはパースから南へ四百キロ、南極海に面する港町だ。美しい景色と様々なレジャーを求めて、たくさんの観光客が訪れるリゾートでもある。
一応六日ほどの予定で訪れたが、雨が降ったらここら辺は寒い。どうやら、一週間ほど北オーストラリアにとどまっていたサイクロン嵐の影響らしい。(注:オーストラリアは南極に近いので南にいけばいくほど寒く、北はもちろん熱帯気候になる)
着いたばかりの昨日はまだ灰色の雲がかかっているだけだったが、今朝から窓を激しく打つ雨になってしまった。寒い。長袖のセーターとジャケットを持ってきてよかった。
せっかく国立公園にハイキングにでも行くつもりだったのに、この天気では無理だ。予定変更して、荒れる海を見ながら、エミュー港で「フィッシュ・アンド・チップス」を食べる。ぎょっとするほどの量だが、かりかりと揚がったフライドポテトが美味しい。
バタバタという羽ばたきに空を見上げたら、ペリカンが街灯(というより「港灯」だ)にとまろうと苦心中だ。大量の糞で汚されないようにと、彼らがとまり易い電灯にはペリカンよけの棒が何本も張り出している。大きなクチバシを斜めにし、細い柱の上で危なっかしくすべりながらやっと重心をとった。ゴクロウサン。