10年生(15歳)の一部の気持ちは浮き立っていて、自然に「うひひ」と笑みがこぼれてしまうらしい。15人ほどの交換留学生があと4週間でパースをたつのだ。たかが3週間の旅行と言うなかれ。彼らにとっては初めての「家族抜き」見知らぬ国への出発なのだ。
先 月には兵庫県宝塚市からこちらに交換留学生が来ていたが、高校生ではなく下は12歳から14歳までの中学生であったために、色々問題もあった。要するにわ がままなのだ。14人の中学生のうち3人までが英語を全く解さず、しかもこちらの生活になじむよりも、自分の自我をあくまで日本語で押し通した結果、ホー ムスティ先の家族から学校への苦情が相次ぎ(このホームスティ先は全てボランティアである)とうとうもうひとりの日本語教師がその3人を自宅にスティさせ なければならなくなった。夜の9時にどうしてもアイスクリームが食べたいとダダをこねたり、自分の好きな音楽を夜中まで大きな音で聴きたい、シャワーより もお風呂にはいりたい、おすしが食べたい、肉は嫌い、部屋を片付けるのはいつもオカアサンだった、自分の部屋から洗濯物を洗濯機にいれるのもオカアサン だった、など、もうため息をついて天をあおぎたくなる。一体日本でどういう生活をしていたのだろう。そして、もうひとつわたしが驚いたのは、初めて行った オーストラリアの「学校の先生」であるわたしに対して、まるでともだちのように話すことだった。「センセイ、こっちに何年住んでるのー?」「あっちの席に すわってもいいー?」「やだー、絶対そんなことやりたくなーい」今の日本では、子供たちは学校で教師とこういう話し方をするのだろうか。それとも、丁寧な 言葉が消滅したのは当たり前過ぎて、わたしが遅れているだけなのだろうか。
写真は、今日届いた航空券とスケジュール表を配られて、わくわくどきどきの10年生たち。あと4週間で夢に見た日本旅行だ。