がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

ほうれん草とフェタチーズのチキンロール

月曜日は毎週放課後ミーティングがあり、まっすぐ帰ってきても6時を過ぎてしまう。ガレージに車を入れて裏庭から入ってくると、すでに裏の引き戸にはふたつの「ネコアタマ」が並んでいる。その「ネコアタマ」たちがガラス戸を介して音無しで口を開けているのは、つまり「はやくゴハンくれー」と鳴いているということだ。

さて猫たちにゴハンをやったら、次はわたしの番。
おととい買った鶏胸肉をどうしても使ってしまいたいので、今日はチキンロールにしよう。

まず、胸肉は厚すぎるので平たく2枚にしてから、肉叩きでばこんばこんと叩き、均等に伸ばしておく。そのとき、切った表面に筋があるからこれを切っておくこと。鶏肉がこの筋に沿って縮んでしまうので。その上に茹でて冷凍しておいたほうれん草を適当に切って載せ、次にモルターで叩いて細かくしたクルミをぱらぱらと振りかけ、最後に手でつぶしたフェタチーズを載せる。で、これを中身が出ないようにくるくると巻いて最後に爪楊枝で留めて塩コショウ。フライパンに油を熱し、チキンロールに小麦粉をはたいてからまんべんなくきれいな焼き目をつける。

最後は180度に熱したオーブンで15分ほど焼くが、わたしはチキンが乾かないようにチキンストックを回りに注いでおく。

食べるときに気をつけなければいけないのは、必ず爪楊枝を抜いてから口に入れること。これを忘れると危ない。爪楊枝は焼いているうちに中のほうに陥没してしまうこともあるので、よけい危ない。で、爪楊枝をとって中身が崩れないようにそうっと切って、オーブンから出したばかりのアツアツのチキンロールを口に含む。ほうれん草と溶けたフェタチーズがしっとりとした鶏肉にからまって、ああ、1日の疲れを忘れる瞬間…のついでに赤ワインをぽんと開けて1杯だけ。

ほうれん草とフェタチーズというのは実に相性のよい材料で、パイにしてもよし、こうしてチキンロールの具にしてもよし、パスタやピザの具としても美味だ。それに一緒じゃなくてもよく使える便利な材料なので、冷凍庫にほうれん草、冷蔵庫にフェタチーズはがびんちの常備菜なのである。

4つも作ってしまったので、ひとつは明日のお弁当に。そして、あとのふたつは後日の出番を待って冷凍庫で寝てもらうことにした。

 

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