スナッパー(鯛の一種)の新鮮な切り身は、味が淡白なだけにどんな調理にも使える。フライパンで焼くときには本当なら皮付きがいいのだが、今回はもう赤い皮はついていなかった。残念。
優しい味のトマトソースには、普通の玉ねぎの代わりにエシャロットを使う。どんなに炒めても少々つんとくる玉ねぎより、はるかに味がまろやかなのだ。オリーブ油で炒める時間も半分ですむ。きざんだ缶トマトは缶からいったん出してきざみ、缶の汁といっしょにエシャロットを炒めた鍋へ。味付けは塩の代わりに醤油、そして辛口シェリー酒に粒コショウをかりかり。辛いのが好きなわたしは、タイ産チリペーストもほんの少し足す。最後に入れるのは、隠し味としての砂糖小さじ一杯だ。あまり塩を効かせないトマトソースでは、この砂糖がトマト本来の味を引き立ててくれる。
さて、軽く塩こしょうしたスナッパーはフライパンで両面を焼き、さっとドレッシングと混ぜたベビーリーフのサラダの上にのせる。上からトマトソースをかけて、できあがり。
このところ、日が落ちるとかなり涼しくなる。
空気もやっと爽やかになり、軽い長袖に着替えて庭に出た。さわさわと風に鳴る庭の草花の音を聞きながらの静かな夕食。