カレーが食べたいなあと思いながら、まだあの妙に懐かしい和風インスタントカレーの素を買っていない。
仕方がないのでまたもや重いモルターを出して、ターメリック、クーミン、粒マスタード、コリアンダー、胡椒、レッドチリなどをどかんどかんとつぶす。この重い石製のスパイス挽きを使っていると、結構ストレス解消になる。パンの種をこねたり台にぶち当てるときにも、こういう高揚感を味わえるものだ。
包丁を使い材料を力をこめてブッ叩くのは、要するに気分転換にもってこいの行為である。
スパイスさえ常備していれば、カレーは案外簡単にできる料理だ。で、今日のカレーはビンダルーと呼ばれるインド料理では一般的なもの。
つぶしたスパイスに酢、塩、砂糖を混ぜて、そこにあめ色になるまで炒めた玉ねぎ、トマトソースを加えて、ミキサーにかけてしまう。これがビンダルーと呼ばれるペーストで、色々なレシピがあるそうだが、わたしはこのトマトソースを入れるものが好みにあっている。
時間があればここにチキンをいれて1晩マリネしておくのだが、今日はそのまま焼いたチキンにかけて、20分ほどことことと煮込むだけ。
ご飯はもちろんインドバスマティ米。タイ米をもっと細くしたような米は、香りも一種独特で軽いので、きちんと作ったカレーにはとてもよく合う。