実は、さっき十時ごろに帰宅した。
九年生(日本の中学二年生に当たる)の父兄との懇親会があったのだ。九年生の担任は全員出席と言い渡されていたから、覚悟はしていた。七時から九時半までだったので、比較的近くに住んでいる教師たちは、一旦帰宅して食事をしてから戻ってきたようだ。わたしは往復一時間もかけて帰るくらいなら、とそのままオフィスで仕事をしていたがさすがに疲れた。
こんな感じの時間外労働がかならず一学期に何回かある。
今朝の休み時間自分のデスクに戻ってみたら、手のひらにおさまってしまうほど小さな紙の箱がぽつんとあった。開いてみたら、一枚のメモとともに色々なものがはいっている。小さなビー玉、五セント玉、輪ゴム、タコ糸のキレッパシ、チョコレートがひとつ。
メモには、「ストレス撃退キット」とあった。
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1.ビー玉は、あなたがもしかしたら自分を見失いそうなときのために(Losing marbles‐ビー玉を無くす、は慣用句で「自分を見失う」とか「気が狂いそうになる」という意味)
2.五セント玉は、あなたが無一文にならないために
3.輪ゴムは、あなた自身を自分の限界よりさらに伸ばすために
4.タコ糸のキレッパシは、あなたの人生がバラバラになる前に、一個ずつ繋ぎとめるために
5.チョコレートは、いつも誰かがあなたのことを気にかけているってことを思い出させるために
PS: もしチョコレートを無くしちゃって代わりが欲しいときには、いつでもわたしに会いに来てね
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こういう細やかな心遣いをするのは、仏語担当の若いフランス人教師だ。わたしには絶対できそうにない、気の利いたユーモアが詰まった小さなプレゼント。今日懇親会で遅くまで学校にいなければならない語学教師に配っていたらしい。
懇親会前に、帰宅する直前の彼女を捕まえて心からお礼を言った。
なんて小粋で素敵なメッセージ。
私からも 心を込めて たくさんのハグとチューを・・。
はぐはぐ(背中をぽんぽんと軽くたたきながら)空中キッス(ほっぺは触れているけど、キスは音だけ)。口紅つけている女性はみんな、これでーす。(笑)