がびのテラス - 軽妙にして辛辣、独断にして優雅に

たかが「日本語」されど「日本語」

バンコクは日本語だけで生活できる場所だ、と言っても過言ではない。日系デパート、スーパー、本屋、居酒屋、お稽古教室、ゴルフにテニス、エステに美容院、ありとあらゆるものが日本語でサービスされ、日本語を使うだけで手に入る。スーパーに行けば無料のミニコミ誌が山積みにされているから、ガイドブックに載らないような最新情報を得ることもできる。

そりゃあ、時には妙な日本語に出くわすこともある。たぶん「日本語ができる」と豪語したタイ人にまかせてしまったのであろうヘンテコな看板や、字の間違いがふんだんに盛り込まれている広告などがそうだ。だから、日本人の作っているミニコミ誌で、まさかこんなものを見るとは思わなかった。日系不動産屋の広告だ。

「土・日・祝も、喜んで営業しております。」

お問い合わせを喜んで承る、なら話はわかる。どんな無理難題だろうとも、へりくだって是非やらせていただきましょう、相手の話を喜びを持って承諾しましょう、という意味だ。店を開けているのは、その店の勝手である。何もこっちが開けてくれと頼んだわけでもないのに、「喜んで店を開けている」んじゃあ、なんだかニヤニヤといかにも嬉しそうに待っているようで気味が悪い。いや、もしかしたらこれは冗談なのかもしれない。今時の広告は、肩すかしを食わせるものだって多いんだ、うん。

今度はその文の隣のキャッチフレーズに目をやると、
「日頃のご愛好にお応えして、お客様に大還元プロモーション」とある。おお。
「ご愛好」って、アナタ。この店をペットのように好んで楽しんじゃっている客がいるのか。すごいな。商売人は「いつも目をかけてもらう(=日頃のご愛顧)」だけで十分でございます、とへりくだるべきなのに、このひとはまたもや「うちの店をすっごく楽しんでもらったからサア」とやっちゃったわけだ。

お願いだから辞書ひいてください、たまには。

4 COMMENTS

i-i

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そういえば、もう何年も前 ワットポーに行ったとき、「ポケット引っぱる人います。ちゆぅいください」
みたいな日本語の警告があったなぁ。
観光名所なのに。 誰かpickpocket=スリ・・って教えてたってくれぇ〜〜って思った記憶が・・。

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がび

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実は、日本にある横文字プリントもいいかげんですね。こちらに少しあります。英会話楽園。開いたページの左カテゴリから色々選べます。ひとりで涙流して笑ってしまいました、はい。

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ハトコ@scarboro

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がびさん、お帰りなさい。
engrish.comはごらんになったことがありますか。こちらも涙&腹痛間違いなしですよ(笑)
ところで以前カトゥーンバのアーケードで目にしたアンティークショップの外壁には「1921年以前を作ったティーポットがあります」とありました。
歴史を作るティーポットとはいかに…お、惜しい〜!

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がび

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ハトコさん、お暑うございます。
これ、ほんと惜しいですねえ。「を」を「に」に変えるだけでカンペキだったのに。。。engrish.comに行ってきました。最初、間違えてenglish.comに飛んじゃったんで、いきなり大マジメなサイトでびっくり。アールとエルの違いは、偉大です。
で、engrish.comの方では声だして笑ってしまいました。すげー。どうもありがとうございます。
せめて、母国語である日本語だけはなんとか正しく書きたいものです、はい。(バンコクの日本人不動産屋は、その後、問題の広告キャッチフレーズをひっこめました。まさかわたしのサイトを見たわけでもないでしょうが、誰かが指摘したのかなあ)

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