8年生(12-13歳)のクラスでは、今「・・・にいきます」という助詞「に」を使った文型の練習をしている。身近な場所を使いながら文型を覚えるわけだが、ちょっと困ったことが起きた。
学 校から5分も歩くと「ガーデンシティ」という大きなショッピングセンターがあり、子供たちも学校帰りによく利用する。この場所を使って文型を作ろうとし て、わたし自身がつっかえてしまった。日本語の「シ」は city の ci ではない。かなり近いのが shi だが、悪態用 shit には名詞から形容詞から動詞まで全てあり、そのうちの形容詞 shitty の発音とかなり似ているのだ。
そのときはぐっとこらえて「こういう言 葉は、英語の発音でもいいんデス」と逃げたが、悪いことは重なるもの、そのあとの10年生の授業で「ベビーシッター」という言葉が出た。今度は shit するひとになってしまう。こちらのほうはもう15歳になっている生徒たちなので、きちんと発音の違いを説明して釘をさしておいた。
今度 から「シ」の音のはいる外来語を使うときには気をつけようと思っていたら、アシスタントとして来てもらっている日本人大学生が「でも、どう違うんですか」 と聞いてきた。そうだなあ、としばらく考えてしまったが実は簡単である。「しゅしゅしゅしゅ」と言いながら、そのままの口の形で口角を少し引いて「し」と 言えば簡単にshの発音ができるし、反対に「すすすすす」と言いながら口角を少し引いて「すぃ」と言えば ci または si の発音に近い。この違いが日本語にはないのだ。
「子守り」が「赤ん坊の***タレ」になってしまうなんて、さすがにマズイよなあ。
————————————————–
パー スにはめずらしく湿度が高い。子供たちの気分も天気に左右されるのか、今日は普段よりうるさくて管理しづらいクラスが多かった。こういうときは夜にどっと 疲れが出るので、あまり食欲がない。なあんて言いながらも、でっかい鶏の胸肉とマッシュルームをソテーしてバルサミコドレッシングのサラダをそえた。